紀伊国屋書店、村上春樹氏の新刊「買い占め」
初版の9割、アマゾンに対抗

2015/8/21 22:26
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 紀伊国屋書店は21日、インターネット書店への対抗策を発表した。9月刊行予定の人気作家、村上春樹氏の著書の初版10万冊の9割を出版社から直接買い取り、自社店舗のほか他社の書店に限定して供給する。アマゾン・ドット・コムなどネット書店の販売量は5千冊にとどまる。紀伊国屋書店は売れ残りリスクを抱えるが店頭への集客につながると判断した。

スイッチ・パブリッシングが9月に刊行する村上春樹氏の長編エッセイ「職業としての小説家」
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スイッチ・パブリッシングが9月に刊行する村上春樹氏の長編エッセイ「職業としての小説家」

 一般に出版物の流通は取次が出版社から書籍などを仕入れ、書店に配本する。書店は一定期間売れなかった本を取次経由で出版社に原則返品できる。紀伊国屋書店は今回こうした慣行と一線を画す異例の措置を取る。

 対象は中堅出版社のスイッチ・パブリッシング(東京・港)が9月10日に刊行する村上氏のエッセー「職業としての小説家」。紀伊国屋書店は買い取る9万冊のうち3万~4万冊を自社で、残りを他社の書店に供給する意向だ。狙いについて紀伊国屋書店は「初版の大半を国内書店で販売しネット書店に対抗する」と明言した。

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 紀伊国屋書店の買い取りでスイッチ・パブリッシングは返品リスクを減らせる。同社は残った1万冊の半分を販促イベント用に取り置くなどするためネット書店には5千冊しか渡らない。紀伊国屋書店は増刷する場合に同様の仕組みを採用するかどうか検討している。

 出版物の年間推定販売額は2014年まで10年連続で減った。国内書店はネット書店の台頭にも押され苦境が続く。調査会社のアルメディアによると書店の数は5月時点で約1万3500店で1年間で500店減った。

 紀伊国屋書店は4月に大日本印刷と設立した共同出資会社でも、出版社と直接取引や買い取りの拡大などに取り組む考え。10月にも10社超の出版社と買い取りの実証実験を始める。アマゾン側も6月に一部の書籍を値引き販売した。業界で主流の定価販売を揺さぶる戦略を取っている。

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