浜松市で下水道初の運営権 仏ヴェオリア陣営が取得

2017/3/21 14:36
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 浜松市は21日、国内初となる下水道の長期運営権売却「コンセッション」で、水処理世界最大手の仏ヴェオリアとJFEエンジニアリング、オリックスなどで構成する企業連合が優先交渉権を取得したと発表した。同市が下水道運営の一部を同陣営に20年間委ねる。コンセッションは空港や道路で始まっている。民間の効率的な運営ノウハウを生かせば収益性が見込めるとして、インフラ運営に参入する企業は増えそうだ。

16年6月の下水処理場の現地見学会
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16年6月の下水処理場の現地見学会

 道路や空港、水道などの公共施設で、国や自治体が所有権を残したまま、運営する権利を民間事業者に売却するコンセッションは政府の成長戦略の1つ。国内で利用料収入を伴うインフラ資産は185兆円とされる。民間委託は行政にとってインフラ維持運営の財政負担を軽くできる。企業はほぼ手つかずだったインフラ運営という新市場に参入できる。

 国内のコンセッションは、仙台空港や愛知県の有料道路などで民間運営が始まっている。だが資産が約90兆円と国内最大のインフラである下水道では、浜松市が第1弾となる。

 同市が所有する下水処理施設「西遠浄化センター」などの運営権について、優先交渉権を得たのは、仏ヴェオリアの日本法人やJFEエンジ、オリックスなど6社。今年10月をメドに契約を結び、2018年度から20年間にわたり事業を担う。運営権対価は25億円で提案した。

 対象施設は市内の下水処理量の6割を占め、事業規模は年20億円程度。ヴェオリア陣営は期間中、施設の運営や設備更新などを独自に行う。センサーなどを使って少ない人員で効率的に設備管理する仕組みや、下水汚泥をバイオマス発電向けの燃料とする設備を設けて副次的な収入の獲得などを狙う。

 ヴェオリアは、海外でコンセッションの実績が豊富なほか、JFEエンジは、下水汚泥の処理技術を持つ。オリックスは下水道分野へ初参入となるが、関西空港でコンセッションを始めている。

 下水道は設備の老朽化が深刻になっている。30年には国内全体の更新費用が年1兆円と、現在の7割増に膨らむ見通しだ。だが人口減による利用料収入の減少で、自治体の運営は苦しくなっており、民間委託は必至の流れとの見方が強い。下水道のコンセッションを巡っては、大阪市や宮城県も検討している。

(大平祐嗣)

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