「ビーバーエアコン」アジアで復活 三菱重工、空調テコ入れ

2017/2/17 17:53
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 三菱重工業が空調事業に力を入れている。同社は航空機やロケット、造船など大型機械で知られるが、実は空調事業は隠れた優等生。国内ではほとんど見かけなくなった「絶滅危惧種」の家庭用エアコンの販売がアジアでは好調で、工場を新設するほど。2月からエアコンのテレビCMを流すなど、相次いでてこ入れ策を打ち出す。

■空調事業、黒字続きの「優等生」

 「三菱重工の総合力を使ったラインアップです」。三菱重工の空調冷熱子会社、三菱重工サーマルシステムズ(東京・港)が17日に都内で開いた製品説明会で、楠本馨社長は最新の空調機をアピールした。三菱重工が空調事業の製品説明会を開催したのは9年ぶりのことだ。

三菱重工業の家庭用ルームエアコン「ビーバーエアコン」
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三菱重工業の家庭用ルームエアコン「ビーバーエアコン」

 三菱重工の空調と言えば家庭用の「ビーバーエアコン」が有名だが、会場に並べられた製品はビルや工場、店舗で使う業務用。ビーバーエアコンは1970年に発売した後、機能を向上させて今なお販売が続いている。ただ現在の主役は業務用に変わった。

 三菱重工は空調事業を成長事業の1つに位置付ける。2015年度に2000億円強だった売上高を20年度までに3000億円に引き上げる計画だ。航空機や造船など大型事業が相次ぎ損失を出すなか、空調事業は近年黒字が続き、社内では優等生と評されている。

 だが00年代前半には赤字を垂れ流して「お荷物」と言われたこともある。家庭用空調は国内家電量販店との取引を縮小。同社関係者は「店頭ではほとんど見かけなくなった」とさみしがる。

 業務用製品の一部も海外に工場を移管して生産コストを下げる一方、高い省エネ性能を備えた大型空調機を相次ぎ開発し、事業を立て直した。さらに収益力を高めるため16年10月に本体から事業を切り出し、空調の事業会社、三菱重工サーマルシステムズを発足させた。

■攻めに転じ、16年ぶりにテレビCM

 「ここは・・・三菱重工!」。女優の北川景子さんが、風が直接当たらないことから三菱重工製の空調機だと言い当てるという内容のテレビCMが2月11日から始まった。01年にタレントの所ジョージさんをビーバーエアコンのテレビCMに起用して以来、16年ぶりの空調のテレビCMだ。

 事業会社になり、広告予算が増加。三菱重工で唯一、一般消費者に近い製品として性能をアピールする。ただ、CMに採用した製品もビーバーエアコンではなく、店舗向けのエアコン。ここでも業務用が中心だという姿勢が見て取れる。

 国内では絶滅危惧種のビーバーエアコンだが、アジアではその様子が違う。1月にタイに空調の新工場を建設すると発表した。ブランド名は変えているが、東南アジアで冷房機能に特化した家庭用空調の売れ行きが好調に伸び、現在の工場が手狭になっているためだ。

 3月にはタイのエアコン工場に投資家やアナリスト、報道関係者を招待する予定。三菱重工本体は航空機など大型プロジェクトで苦戦が続く。「中国や東南アジアで空調を伸ばしてきた。空調がしっかり稼いでいく」(楠本社長)と国内外で攻めていく考えだ。

(松田崇)

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