iPhone7発売、ライバルは格安スマホ

2016/9/16 21:31
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 NTTドコモなど携帯大手3社が16日に発売した米アップルの新型スマートフォン(スマホ)「iPhone7」が好調な出足となった。電子マネー対応など日本向け仕様が受け、予約数は過去最高を記録。だが手放しで喜んでいられない。格安スマホが勢いづいているからだ。売れ行きが鈍れば、販売現場ではご法度となった「実質0円」を再び打ち出す誘惑に駆られるかもしれない。

「iPhone7」が発売され、アップルストア表参道に入る人たち(16日午前、東京都渋谷区)
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「iPhone7」が発売され、アップルストア表参道に入る人たち(16日午前、東京都渋谷区)

 「10月まで待ち切れないですね」。東京都文京区の僧侶、吉州正行さん(35)はKDDI(au)の販売店で「7」を手にし、10月から東日本旅客鉄道(JR東日本)の「スイカ」に対応することに触れ、笑みを浮かべた。「それまでほかの新機能を使いまくりたい」

 防水機能、2個のカメラ、豊富な本体カラー……。国内のスマホ需要の伸びが鈍化したといわれるなか「7」シリーズの商品性は高く評価されたようだ。NTTドコモの吉沢和弘社長は発売イベントで「大容量データが使えるプランと組み合わせ、きれいな動画を快適に楽しんでほしい」と力を込めた。

 だが、iPhoneには逆風が吹いている。高額製品を「実質0円」で販売する手法を総務省の要請で今春に取りやめてから、格安スマホに乗り換える消費者が増えているのだ。

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 調査会社BCN(東京・千代田)によると、国内スマホ販売台数のうち通信会社を自由に選べる「SIMフリー」端末のシェアは8月に18.9%と過去最高になった。一方で、2015年に5割を優に超えていたiPhoneのシェアは4割近くまで落ちている。

 携帯大手3社は格安スマホに対抗して値ごろ感を出すために「7」の最安モデルを実質1万円強で売ることにした。毎月の通信料を値引きし、端末代金を補助する仕組みは従来通りだが、総務省に配慮して「実質0円」と見なされないようにぎりぎりの価格にした。高市早苗総務相は13日の閣議後会見で、大手3社の料金プランについて「不適当な状況にあるとは考えていない」と述べた。

 料金プランは今後も守られるのだろうか。

 「ソフトバンクのiPhone6sを2台契約すると一括0円」。秋田県のある販売店は16日、「7」発売に合わせて早速ネット広告を出した。電話すると店員は「久しぶりの大セールですよ」。端末本体が無料で手に入るだけでなく、通信料が2年間で5万円以上安くなる。「実質マイナス5万円」だ。

 ある業界関係者は「これはアウト。本来ならあり得ないサービスだ」と話す。たしかに携帯大手の目が行き届きにくい動きかもしれないが、前モデル「6s」が苦戦したことのあらわれともいえる。初日の出足が好調だった「7」も、新規参入が増える格安スマホとの競争が激しくなれば、販売店で「できるだけ安く売りたい」という欲求が強まる可能性はある。

 16日には日本にあるアップル子会社が東京国税局から所得税の源泉徴収漏れを指摘され、追徴税約120億円を支払ったことも明らかになった。アップルへの風当たりは強まっている。いつまで携帯3社にとって契約増のけん引役となれるか。今は岐路に立っているのかもしれない。

(大和田尚孝、大西綾、山崎純)

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