日産、バイオ燃料電池車 航続距離はEVの3倍

2016/6/14 21:12
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 日産自動車は14日、サトウキビなど植物由来のバイオエタノールを使う燃料電池の技術を開発したと発表した。この技術を電気自動車(EV)に併用すると連続走行が可能な距離を約3倍に延ばすことができる。まず宅配サービスなどに使う商用バンに搭載し、2020年をメドに発売する。

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 新技術「e―バイオフューエルセル」はバイオエタノールを改質器で水素と二酸化炭素(CO2)に分け、取り出した水素を「スタック」と呼ぶ装置内で空気中の酸素と化学反応させて発電する。日産は今回、自動車用スタックとしては世界で初めて家庭や事業所用の据え置き型燃料電池に使う「固体酸化物型燃料電池(SOFC)」の反応メカニズムを採用した。

 SOFCではエタノールから取り出した水素の純度が低くても発電できる。つくった電気を車載電池にため、モーターの力で走行する仕組みは従来のEVと同じだ。

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 新技術をEVに併用すると、1回の燃料充填で走れる距離は最大800キロメートルになる。EVの走行可能距離を3倍程度に延ばすことができる。

 ライバルのトヨタ自動車は14年12月に初の量産型燃料電池車(FCV)「ミライ」を発売した。ホンダも16年3月にFCV「クラリティフューエルセル」のリース販売を始めた。いずれも純度の高い水素を燃料に使い、走行時には水しか出さないため「究極のエコカー」と呼ばれる。

 一方で水素の貯蔵や充填には専用のインフラが必要となるため、普及には時間がかかると見込まれている。

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 日産が着目したバイオエタノールは走行時にCO2を排出するが、サトウキビなどの原料が成長する過程でCO2を吸収する。全体では大気中のCO2を増やさず、温暖化対策になる。日産の坂本秀行副社長は「ブラジルや米国ではバイオエタノールが既に流通しており、水素より入手しやすい環境にある」という。

 ランニングコストも現行タイプのEV並みに安くできるとみている。日産の推計では新技術のランニングコストは1キロメートル当たり3.1円。現行タイプのEV(同2.9円)とほぼ同水準に抑えられ、ガソリンエンジン車(同9円)よりも安い。

 日産では既に新たな技術を搭載した試作車の走行テストを始めており、今夏にも公開する予定。20年の市販車発売時の車両価格は現行タイプのEV並みに抑え、次世代エコカーの普及が始まった先進国だけでなく、タイなどの新興国でも普及を目指す考えだ。

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