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AI対人間、囲碁「頂上決戦」再び

2017/4/10 17:06
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 【シリコンバレー=小川義也】約1年前、韓国のトップ級棋士を破って囲碁界に衝撃を与えた米グーグルの人工知能(AI)「アルファ碁」が公の舞台に戻ってくる。今度の対局相手は現在、世界最強のプロ棋士といわれる中国の柯潔(カ・ケツ)九段。改良を重ねてさらに強くなったとされるアルファ碁が再び人間に勝つのか、それとも人間が機械に一矢報いるのか。中国浙江省で5月下旬に開かれる頂上決戦に世界の囲碁ファンの目が注がれる。

 アルファ碁を開発したグーグル傘下の英ディープマインドが10日発表した。対局は全3局で、中国囲碁連盟と中国政府の協力を得てグーグルが5月23~27日に浙江省烏鎮で開くイベント「Future of Go Summit(囲碁の未来サミット)」の目玉となる。

 同イベントでは、アルファ碁とペアを組んだ中国のプロ棋士同士が対決する「ペア碁」や、アルファ碁が中国のプロ棋士5人のチームを相手に戦う「チーム碁」も予定する。

 ディープマインドのデミス・ハサビス最高経営責任者(CEO)はブログで、「トップ棋士とAIの競演から学べることはまだ残っている。その可能性を追求するために、囲碁の発祥の地である中国で5日間にわたる囲碁とAIの祭典を開く」と述べた。

 アルファ碁は昨年3月、韓国のイ・セドル九段とソウルで対局し、4勝1敗と圧勝。局面の数がチェスや将棋より桁違いに多く、「あと10年は人間に勝てない」とみられていた知能ゲームの最後の砦(とりで)をあっさりと突き崩した。

 驚異的な強さの秘密は人間の脳をまねた「ディープラーニング(深層学習)」と呼ばれる情報処理の手法を採用したことにある。アルファ碁は無数の対局の棋譜をもとに打つ手の善しあしを自ら学習。さらに、膨大な数の自己対局を繰り返し、勝ったり負けたりする経験から判断力を磨いた。手ごとに形勢を的確に読み切る「直感」に近い状況分析は、人間のプロ棋士をうならせた。

 ディープマインドはイ九段との対局後もアルファ碁の改良を重ねてきた。今年初めには韓国や中国の囲碁サイトに匿名で参加。日本や中国、韓国のプロ棋士との練習対局で連戦連勝していたことが後日、明らかになっていた。

 昨年のイ九段との対局はグーグルの動画共有サイト「ユーチューブ」やテレビなどを通じ、全世界でのべ2億8000万人が視聴したといわれる。柯九段との対局がどのように配信されるかは現時点では不明だが、前回以上に注目されるのは間違いない。

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