未来面「革新力 」

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「化学」は、世の中をよくできるか。

 日本経済新聞社は、読者や企業の皆さんと一緒に日本の課題について考え、議論する「未来面」をスタートさせました。今回のシリーズのテーマは「革新力」です。日本経済新聞の紙面と電子版を通じて経営者と読者が双方向で対話し、アイデアの実現可能性を探ります。企業のモノ作りは、サービスは、金融は世の中をよくできるのか。革新的なアイデアをお寄せください。

「イノベーションを生み出すシステムとは?」
越智仁・三菱ケミカルホールディングス社長 経営者編第1回(11月2日)

2015/11/2 3:30
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 イノベーションは社会の様々な問題を解決し世界をよりよくする活動であり、企業にとっては成長を続けていく原動力です。古くはナイロンなど今までにない素材を生み出すようなイノベーションもありますし、「IoT(モノのインターネット)」やロボットのように生産プロセスや生活を大きく変えたり、北米のシェールガスのように眠っていた資源を新たな技術によって活用し国の経済構造を一変させてしまったりするものもあります。

 

 化学会社は機能化学、情報電子など幅広い分野でイノベーションを進めており、三菱ケミカルホールディングスは「サステナビリティ(環境・資源)」「ヘルス(健康)」「コンフォート(快適)」の3つを事業活動の判断基準としています。サステナビリティのためのイノベーションの大きな成果が炭素繊維です。航空機や自動車などの素材に使われ、軽量で強度が高く、省エネルギー、二酸化炭素の排出削減などに役立っています。薄くて軽い有機薄膜太陽電池、電気自動車に利用されるリチウムイオン電池材料もあてはまるでしょう。ヘルスでは希少疾病など有効な治療法がない病気に対する医薬品の開発に取り組んでいます。

■新たな価値を生む技術求め「協奏」

 こうしたイノベーションには時間がかかります。当社グループは1975年に炭素繊維原糸を開発し、83年に実用化しましたが、最初は釣りざおやテニスラケットへの利用でした。そこから技術を一歩ずつ高め、最高度の安全性が求められる航空機や自動車に利用されるまでになりました。社会的要請が高まるにつれ、重要になるのは「インテグレーション(統合)」です。様々な分野の技術を合わせて画期的な成果を出すわけですが、1つの部門、会社ではすべてをカバーできません。色々な企業、大学、公的機関と協力し多様な技術とのインテグレーションで新たな価値を生み出す時代なのです。私たちはそれを「協奏」と呼んでいます。多くの弦楽器、管楽器がひとつの音楽を紡ぎ出すオーケストラと同じだからです。

 今回、皆さんにはイノベーションをより効果的に達成していくためのシステム、やり方についてアイデアを求めたいと思います。抽象的かもしれませんが、人類に貢献するイノベーションを続々と生みだすためにはどんなことが必要か、考えを聞かせてください。

越智仁・三菱ケミカルホールディングス社長の課題に対するアイデアを募集します。投稿はこちらから

 

 ■編集委員から 「イノベーションを生む組織」と聞いて、とっぴですが、山火事の話を思い出しました。落雷などによる山火事で広大な森林が焼失したと聞くと私たちはすぐ自然破壊と思いがちですが、高齢化、硬直化し、特定の植物しか生育できなくなった生態系が生まれ変わるための新陳代謝が起きたとみることもできるそうです。確かに山火事の後、数カ月後にはどこからか飛んできた種子によって、新しい植物が焦げた大地から繁茂を始めます。その様子はイノベーションを生む組織のヒントにならないでしょうか?

 ベンチャー企業がイノベーションを生む理由は何物にもとらわれない更地のような発想の自由さ、柔軟さがあるからでしょう。硬直化、官僚化と一言で済まされがちな日本の大手企業でもイノベーションを重ねる組織もあります。もしかすると企業内で時々、“山火事”を起こしているのかもしれません。(編集委員 後藤康浩)

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