甲賀の忍術書に毒薬配合や夜襲方法 江戸期の古文書から

2017/4/30 20:29
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 滋賀県甲賀市で2000年に見つかった江戸時代の古文書「渡辺家文書」に、毒薬配合や夜襲方法などを記した忍術書17点が見つかったことが30日、分かった。諜報(ちょうほう)活動をする「御忍役人」として仕えた尾張徳川家に「有事にはすぐに駆け付ける」「秘密契約のため、父子兄弟や友人にも話さない」と記した誓約書もあった。

 甲賀と伊賀の忍術を辞典のようにまとめた忍術書「万川集海」(1676年)と内容が似ている部分はあるが、甲賀で代々、忍術が継承されていたことを示す貴重な史料という。

 渡辺家文書は約150点で、甲賀市の元会社員、渡辺俊経さん(79)宅で発見され、昨年から市が解読していた。文書は近く刊行される予定。

 忍術書は「忍次之火巻」「忍法行巻」など。毒薬としてハンミョウやトカゲを丸焼きにして粉にし、井戸に入れるとあった。ハンミョウは当時、毒があると信じられていた。「ネムリ薬」では「クソムシの抜け殻やタバコなどの粉を火であぶると、煙で敵は眠る」と書かれていた。

 「夜討之事」の項目では「敵の門外から手火矢や毒玉を打ち込み、敵が外に逃げ出したら、毒を含む手火矢で攻撃する。手火矢の火が消えても、その煙にまかれると危ないので、すぐには近寄らないこと」と記していた。手火矢は、火矢や手りゅう弾のような武器とみられる。

 忍術書以外にも、鉄砲の砲術書や馬術、居合術、呪術書などもあり、忍者がさまざまな分野の技術を習得していたことが分かる。

 御忍役人としての誓約書は写しで、1700~1829年までの10枚が見つかり、代々尾張藩に提出されていた。渡辺さんの先祖は農民だったが「御用之節ハ、早速致参着」とあり、尾張藩に緊急事態があれば、駆け付けるとしている。

 甲賀市教育委員会の伊藤誠之資料調査員によると、甲賀出身の木村奥之助という人物が渡辺家を含む甲賀の5家をまとめ、年に1人5両で御忍役人として秘密裏に尾張藩と契約。江戸時代の甲賀忍者は在宅・非常勤だったことが分かるという。平時は年に1度尾張藩に赴き、表向きは鉄砲指南役として砲術を指南していた。〔共同〕

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