ノバルティス、2500例を放置 重い副作用の報告義務

2014/8/29付
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 スイス製薬大手の日本法人ノバルティスファーマ(東京)が薬の副作用を厚生労働省に報告していなかった問題で、同社は29日、自社薬との因果関係が否定できない重い副作用で新たに約2500症例の未報告案件があったと発表した。薬事法では製薬会社は重い副作用を把握した場合、一定期限内に国に報告する義務があるが大量に放置していた。

 同社は29日、厚労省に報告した。厚労省は「薬と副作用の因果関係を精査し、重篤症例の未報告など薬事法違反が確認できれば新たに行政処分を検討する」としている。

 同社は白血病治療薬による重い副作用を16症例21件把握しながら国に報告しなかったなどとして、7月に厚労省から改善命令を受けた。この際、販売するすべての薬で同様の報告漏れがなかったかどうか報告するよう指示され、約1万例を調査していた。

 その結果、同社が販売する薬との因果関係が否定できない重い副作用症例は少なくとも2579例あった。白血病治療薬など抗がん剤が多く、患者の副作用は腎障害などで、死亡した事例もあったという。

 これとは別に自社薬との因果関係を調査中の副作用症例は6118例あるといい、薬事法違反の未報告事案はさらに増える可能性がある。厚労省は9月末までに全ての調査結果を報告するよう指示した。

 厚労省によると、製薬会社から報告のある副作用症例は全体で年間およそ4万例。ノバルティスは2013年に複数の症例で約8千件を報告したという。

 ノバルティスを巡っては、高血圧症治療薬ディオバンを巡る臨床データ操作事件で、法人としての同社と元社員が薬事法違反(誇大広告)罪で起訴されており、厚労省はこの件でも行政処分を検討している。

 大量の副作用症例疑いの未報告について、同社は「深く反省し、再発防止に努める」とのコメントを発表した。

 ▼薬事法の副作用情報の報告義務 製薬会社が重い副作用情報を入手した場合、死亡やこれまで知られていない副作用は15日以内、そのほかの重い副作用は30日以内に国に報告するよう義務付けられている。定められた期限内に報告がないなどの違反があった場合、国は製薬会社に業務停止命令や改善命令などの行政処分をすることができる。

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