静岡一家4人殺害50年、見えぬ真犯人 袴田さん再審長期化懸念

2016/6/27 0:02
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 静岡県清水市(現静岡市清水区)で、みそ製造会社専務、橋本藤雄さん(当時41)ら一家4人が殺害された事件は30日で発生から50年となる。事件はその後、従業員だった袴田巌さん(80)の逮捕、死刑確定、再審開始決定による釈放と異例の展開をたどった。現場周辺では記憶の風化も進むが「いったい誰が犯人なのか」という疑問は払拭されないままだ。

 事件数年後に建てられた母屋には、ただ1人生き残った橋本さんの長女が暮らしていたが2年前に死去。今は雑草が生い茂り、ポストにはダイレクトメールが取り残されたままだ。事件当時と変わらないのは裏手の線路沿いにある石造りの倉庫ぐらいだ。

 近隣住民も多くが入れ替わり、事件や橋本さん一家を覚えている人も年々減っている。「『火事だぞ!』という叫び声で消火に駆け付けると、屋根がボーンと抜け、炎が上がっていた」と振り返るのは86歳の男性。鎮火後、焼け跡のあちこちで遺体が発見され「また見つかった」という声が響いていたという。

 84歳の女性は「だんなさんは本当にいい人。奥さんも一生懸命に従業員の食事の世話をしていた。お手本になるような一家だった」。74歳の女性は「殺される理由が分からない。怨恨ではないと思う」と首をひねる。「真犯人は誰?」。誰もが口にする疑問だ。捜査員の多くも鬼籍に入り、存命の人も口が堅い。

 2年前に静岡地裁が再審開始を決定したが、検察側が即時抗告。東京高裁に移された審理でも、再審開始の判断の決め手となったDNA鑑定を巡り、弁護側と検察側が真っ向から対立している。

 審理のさらなる長期化も懸念されるが、再審請求を申し立てた袴田さんの姉、秀子さん(83)は「釈放まで約48年も待ち続けたのだから、数年なんてどうってことない」と見守る構えだ。〔共同〕

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