石川と福井、シカ対策で県境対立 24キロの金網設置巡り

2015/8/19付
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 福井県内に生息するニホンジカの「侵入」による食害を防ごうと、石川県が県境上に約24キロもの金網設置を計画している。石川側はわなによる捕獲を進めるためと強調するが、福井側は「身勝手な計画だ」と反発し、撤回や修正を求めている。

 シカの生息数は石川県内が最大2800頭なのに対し、福井県内は3万5000頭と推定されている。石川県は県内で植林した木の芽や皮を「福井のシカ」に食べられてしまうと懸念。石川側にすみつけば、対策費は年間数億円規模で増えると見積もった。

 そこで浮上したのが封鎖作戦だ。高さ約2メートルの鉄柱を約2.5メートルおきに立て、金網を張ることを構想する。跳び越えられないためには尾根への設置が適しているとして、県境と重なる尾根沿いを選んだ。両県境の総延長約50キロのうち、北陸自動車道から東へ24キロにわたってふさいでしまおうというわけだ。

 2015年度は県予算に関連経費5800万円を計上し、北陸道から7.2キロまで取り付ける。柵には餌でおびき寄せる捕獲わなを仕掛ける予定で、設置数や場所の検討を進めている。県森林管理課の土居隆行課長は「柵の目的は捕獲。福井側の個体数も減らせる。丁寧に説明して計画を進めたい」と力説する。

 怒りが収まらないのは福井側の関係者だ。

 福井県あわら市で県境周辺の共有林を管理する山崎博三さん(68)は福井側から石川側へ向かおうとしたシカが柵のため周辺にとどまれば、農林業に大きな被害が出るとして「絶対にやめてもらいたい」と憤る。

 福井県は福井側の地元関係者が同意できる内容でない限り計画は認められないと主張。これまでに石川県と6度の協議を重ね、捕獲計画や効果を示すよう求めてきた。だが、石川県が福井県に通告しないまま、工事に向けて現場の草刈りを始めたこともあり、福井側には「石川県のやり方に不安と脅威を感じる」(あわら市関係者)との不信感が募る。

 両県は今後も協議を続け、地元向けの説明会も開く予定だが、同意を得られるか見通せない。〔共同〕

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