神戸連続児童殺傷事件から20年 まな娘の姿、離れず

2017/3/19 0:07
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 1997年の神戸の連続児童殺傷事件で、小学4年、山下彩花さん(当時10)が亡くなって23日で20年。母、京子さん(61)は事件前日に抱き付いてきた、まな娘の姿が目に焼き付いて離れない。「彩花が残してくれた思い出はかけがえのない宝物です」と涙ながらに語った。

 「お母さん大好き。ありがとう」。97年3月15日午後、京子さんが台所から居間にいる彩花さんを呼ぶと、駆け寄ってきて抱き付いた。その時の声やぬくもりを、今でもはっきりと覚えている。

 その日は、校外学習で持たせた弁当を残さず食べて帰ってきた。当時は弁当がおいしかったから言ってくれたと思っていた。しかし、いま振り返ると「自分の運命を知っていて、最後に『今までありがとう』ってことを伝えたかったのかな」。

 翌16日午後、近所の女性の知らせで、自宅近くの路上に倒れている彩花さんを見つけた。「彩ちゃん、いやーっ」。救急車に乗り、ずっと手を強く握りしめた。助かる見込みが薄いと知っても、医師に「何とか助けてください」と懇願した。彩花さんは1週間後、息を引き取った。

 毎日のように泣き「一日一日がとても長く感じた」。支えになったのは夫や3歳上の長男。そして友人たち。「たくさんの人が支えてくれた。事件を乗り越え、絆がより深まった」

 彩花さんは生前、夏休みの宿題で大好きな曲「星に願いを」のオルゴールを作った。事件後のつらく苦しい時期、家族で食事をしていた店内で突然この曲が流れたときは、「そばに彩花がいてくれる」と感じ、立ち直る勇気をもらった。

 事件当時14歳だった加害男性が2015年に出版した手記は読んでいない。「遺族を傷つけるような卑劣な行為に失望した」。それまで男性から受け取った手紙は全て処分した。

 彩花さんは生きていれば30歳。同級生が大人になり、子供を連れて家に来ると「きっといいお母さんになっていただろうな」と目を細める。「背格好は想像できても、30歳の彩花は思い描けない。顔だけはいつまでたっても10歳のままです」〔共同〕

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