諫早訴訟、開門差し止め命じる 長崎地裁
「塩害の恐れ、農業被害は重大」

2017/4/18 0:56
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 国営諫早湾干拓事業(長崎県)を巡り、干拓地の営農者らが潮受け堤防排水門の開門調査の差し止めを国に求めた訴訟の判決が17日、長崎地裁であった。松葉佐隆之裁判長は「塩害などの恐れがあり、農業被害は重大」と判断し、請求を認めて開門の差し止めを命じる判決を言い渡した。

国営諫早湾干拓事業の開門を巡る訴訟で「勝訴」などと書かれた垂れ幕を掲げる営農者側の弁護士(17日、長崎地裁)=塩山賢撮影

 同事業を巡っては、2010年に福岡高裁が出した開門を命じる判決が確定した後、長崎地裁が逆に開門を差し止める仮処分決定を出すなど、相反する司法判断が並び立っている。今回も福岡高裁判決とは反対の判断が示された。

 松葉佐裁判長は判決理由で、開門すれば堤防の内側で淡水化した調整池に海水が流れ込み、塩水となって農業用水源の一部が失われるなどの被害が生じる可能性が高いと指摘。「農業者らの生活基盤に直接関わり、被害は重大」と認定した。

 開門問題を巡っては、10年12月に福岡高裁が堤防閉め切りと不漁の因果関係を認めて国に開門を命じる判決を示し、国側が上告せずに確定した。ただその後13年11月に長崎地裁で開門差し止めの仮処分決定が出たことから、国は高裁の確定判決に従っていない。

 裁判では、堤防の閉め切りで海の状態が悪化したと主張する周辺漁業者らが補助参加人として参加。開門による漁場環境の改善効果を調査すべきだと訴えたが、判決は「開門して漁業不振との関連を調べることに一定の公共性はあるが、解明できるかどうかは不明だ」などと指摘。開門時の農業被害が大きくなりかねないことと比べれば、開門調査の必要性は低いとした。

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