ノバルティス元社員無罪 データ改ざん学術論文で地裁

2017/3/17 0:51
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 製薬大手ノバルティスファーマの高血圧症治療薬ディオバンをめぐる臨床データ改ざん事件で、薬事法(現医薬品医療機器法)違反(誇大広告)罪に問われた元社員、白橋伸雄被告(66)の判決公判が16日、東京地裁であった。辻川靖夫裁判長は、データ改ざんを認める一方で、医師らによる学術雑誌への論文掲載は広告ではないとの判断を示し、無罪を言い渡した。

 同法の両罰規定で起訴された法人としてのノバルティスも無罪とした。検察側の求刑は被告に懲役2年6月、同社に罰金400万円だった。

 被告は京都府立医大の医師らによるディオバンの臨床研究で、データ解析を担当。薬の効果が実際より高く見えるよう改ざんした症例データや図表を提供し、「投与した患者は脳卒中や狭心症の発生率が低かった」などの内容の論文を2011~12年に発表させたとして起訴された。

 判決理由で辻川裁判長は、被告は自社の薬に有利な症例を水増しするなど、意図的なデータ改ざんを重ねたと認定。一方で「被告らには論文をディオバンのプロモーションに利用したいという意向があったが、学術雑誌への論文掲載は、顧客に購入意欲を喚起させる手段とは言い難い」として、薬事法違反罪は不成立と判断した。

 ノバルティスは研究の中心となった医師らに多額の奨学寄付金を提供。判決によると、03~12年で、少なくとも3億7900万円に上った。辻川裁判長は「ノバルティスが被告に(論文に用いる)統計解析のサポートをさせたのも、有用性を示す論文掲載のためだった」と認定した。

 公判で被告は「大学の研究を手伝ったにすぎず、意図的な改ざんはしていない」と主張。ノバルティスも「臨床研究の中心だった医師らが不正を主導し、刑事責任はない」と無罪を主張した。

■認められず遺憾

 東京地検の落合義和次席検事のコメント 主張が認められなかったことは遺憾であり、判決内容を十分検討して適切に対処したい。

■道義的責任ある

 ノバルティスファーマのコメント 問題の本質は臨床研究で弊社が適切な対応を取らなかったことにある。日本の医学の信頼を大きく失わせたことに道義的責任を感じている。

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