新国立、巨大アーチで765億円増 総整備費3000億円にも
有識者会議了承、五輪後工事負担一段と

2015/7/7付
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 2020年東京五輪・パラリンピックのメーン会場となる新国立競技場の整備主体である日本スポーツ振興センター(JSC)の有識者会議は7日、整備費を2520億円とする工事計画を了承した。屋根に特殊な構造を採用したことなどで、昨年5月時点から約900億円増えた。大会後に先送りした設備なども含めると総整備費は3千億円近くに達する可能性がある。

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 JSCはこの日初めて競技場の整備費の内訳を明らかにした。設計の特徴である約370メートルに及ぶ「キールアーチ」が支える屋根部分が950億円、スタンド部分が1570億円となる。

 工費を減らし工期を縮めるため当初予定していた開閉式屋根は20年大会後に先送りし、電動の可動式座席1万5千席は仮設の簡易着脱式にする。開閉式屋根などの追加整備費は2520億円に含まれていない。JSCは将来のサッカーワールドカップ招致を見込んで可動式座席に戻すことも検討しており、最終的には3千億円近い費用がかかる可能性が高い。

 昨年5月の基本設計時点の整備費は1625億円。ここから開閉式屋根と可動席分の約260億円を除いた1365億円と比べると、整備費は約1100億円膨らんだ。要因はキールアーチなどの建設に特殊な技術を必要とすることによる負担増が765億円、建設資材や人件費の高騰分が350億円、消費増税分が40億円という。

 資材の高騰などに伴い、競技場の収支見通しも悪化。昨年の試算では年3億3千万円の黒字を見込んでいたが、完成後にかかる修繕費も6割増の年10億円となり、収支は約3800万円の黒字にとどまった。

 JSCはさらに、50年後に必要となる大規模改修の費用を、昨年の試算を約400億円上回る約1千億円と算定。財源については「できるだけ長く使ってコストを圧縮することは当然だが、やむを得ないときは国に予算要求したい」とした。

 JSCはゼネコンと契約し10月に着工、19年5月の完成を目指す。整備費が了承を得たことで、今後は国と都の負担割合など財源を巡る調整が焦点になる。

 新国立競技場を巡ってはJSCが12年にデザインの国際コンクールを実施した際、整備費を約1300億円と想定。イラク出身の建築家、ザハ・ハディド氏のデザインが採用された。

 その後、13年のJSCの試算で3千億円に達することが判明。設計変更により、昨年5月時点で1625億円まで圧縮した。その後、新たにゼネコンを加えて精査したところ、資材高騰や工法の難しさから3千億円超になることが再び見込まれたため、開閉式屋根の先送りなどを決めた。

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