新成人はどんな人? 情報あふれる世代 「先輩」に聞く

2017/1/10 1:17
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 日本各地で9日、多くの若者が晴れ着姿で成人式を迎えた。情報があふれ、共通の価値が薄れていく時代に育った新成人。どんな人たちで、どんな未来を切り開く可能性を秘めているのか、若者と関わりの深い先輩たちに分析してもらった。

 若者の政治参加に取り組むNPO法人「YouthCreate」代表の原田謙介さん(30)は新成人世代を「パス交換タイプ」と表現する。政治への関心が特別高いわけではないが、マイクを向けるとボールを蹴り返すようにためらいなく発言できるという。原田さんは「発信する経験が豊富だからだろう」と話す。

 新成人は2012年に中学校を卒業。総務省によると、その直近の数年でスマートフォンが急速に普及し、同年末の世帯保有率は49.5%。08年にツイッターやフェイスブックの日本語版、11年に無料通話アプリ「LINE」のサービスが始まっており、日常的な話題を気軽に発信する機会に恵まれてきた。

 自分なりに反応し、発言できるのは政治参加では大切な能力。昨夏に選挙権年齢が「18歳以上」に引き下げられ、政治が若者の意見に耳を傾け始めた。原田さんは「関心を広げ、感じたことを発信してほしい」と期待する。

 女性向け下着をデザインし、15年にインターネットで販売する会社を立ち上げた多摩美術大3年、ハヤカワ五味さん(21)は、同世代にあたる新成人を旧来の社会通念にとらわれない「自由人タイプ」と呼んだ。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)が身近にあり、学校の友人、教師や親以外の考え方を知りながら育ってきた。

 ハヤカワさん自身も「SNSを通じて同じ価値観を共有する友達ができた」。会社を立ち上げるきっかけもSNSで知り合った先輩起業家らのアドバイスだった。

 新成人を受け入れる社会の側も考え方や働き方の多様性を受け入れるように変化している。ハヤカワさんは「失敗を恐れず挑戦をすることで、下の世代を引っ張っていけるような活躍をしてほしい」とエールを送る。

 若者の自立や就労を支援するNPO法人「育て上げネット」の理事長、工藤啓さん(39)は、親世代のように終身雇用を当たり前とは考えておらず「転職などを織り込みながら20年以上先の自分のキャリアを描こうとする人が多い」のが新成人世代の特徴とみる。

 非常勤講師として大学2、3年生と接している。雇用情勢が変わり、親や先輩らの進路は参考にできず、「今までにない新しい人生のキャリアの描き方にもがき苦しんでいる」との印象を抱いている。

 また「有名になりたい、金持ちになりたい、という意識が薄い」とみるが、「よりよい社会をつくりたい、役に立ちたいと考えている若者が多い」と指摘している。

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