「奇跡の一本松」観光名所に バス駅や土産物屋開業

2017/1/5 12:39
共有
保存
印刷
その他

 東日本大震災の津波に耐えた岩手県陸前高田市の「奇跡の一本松」が、多くの来訪者を呼び寄せている。「他のことにお金を使った方がよい」との反対意見も目立った復元工事から3年半。バス高速輸送システム(BRT)の駅や土産物屋も周囲に完成し、陸前高田一の観光名所となった。

 一本松は、海沿いに約7万本の松が並んでいた景勝地「高田松原」の中で唯一、津波後も残った。地震による地盤沈下の影響で、海水に浸り根腐れして枯れたものの、市は被災者の希望になるとして受け継ぐことを決断。世界中から寄付を募った。

 幹の中心をくりぬいてカーボン製の棒を通し、防腐加工を施した。葉や枝は樹脂製のレプリカで再現。約1億5千万円かけて2013年6月に元の姿が現れた。

 復元後、同市は夜間にライトアップするなどして積極的に活用。同7月、BRTに「奇跡の一本松」駅が設置された。当初は期間限定の予定だったが利用者が多く、常設の駅になった。14年8月には土産物屋もオープン、松が描かれた菓子やタオルといった約50種類のグッズを販売する。

 「大金をかけて復元する話を聞いた時は、まだ生活が苦しくて反対だった」と話す佐藤ミエ子さん(76)は、津波によって自宅が全壊し約5年間仮設住宅で過ごした。「人を呼び込めるし、津波の恐ろしさも伝えられる。今は残してよかったと思う」

 松の近くに設置されているノートには「近くに住んでいたのにそばまで来たことはありませんでした。明日から頑張ろうって思えました」との感想が書き込まれていた。

 市の担当者も「町のシンボル的な存在で、観光の中心となっている。市外の人からの『見に行きたい』という声は多い」と強調する。

 周辺は今後、旧道の駅といった震災遺構と併せて整備が進められ、20年度をめどに国営の追悼・祈念施設が完成する予定。〔共同〕

共有
保存
印刷
その他

電子版トップ

関連キーワードで検索

観光名所佐藤ミエBRT

【PR】

【PR】

主要ジャンル速報

北海道 22日 7:01
22日 7:01
東北 1:16
23日 23:30
関東 22日 7:01
22日 7:00
東京 22日 7:01
22日 7:00
信越 22日 7:00
22日 7:00
東海 23日 23:30
23日 4:00
北陸 22日 7:00
22日 7:00
関西 22日 7:01
22日 7:01
中国 22日 7:00
22日 7:00
四国 22日 7:01
22日 7:00
九州
沖縄
6:00
23日 6:00

【PR】



日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報