育て「空き家管理士」、実地研修でレベル向上 民間資格創設

2015/11/2 12:56
共有
保存
印刷
その他

 倒壊の恐れや不衛生などの空き家問題が全国的に関心を集める中、所有者の代わりに適正に管理できる専門家を育成する動きが始まっている。一般社団法人「空き家管理士協会」(東京)は、民間資格「空き家管理士」を創設。資格認定だけでなく、合格者を対象とした実地研修などを通じて管理士のレベルアップにも力を注いでいる。

 熊本市郊外の丘陵地に広がる閑静な住宅街。地元の業者が管理する築30年ほどの木造平屋住宅は、一見すると空き家に見えない。「まずは通風のために窓を開けます」。講師役で協会代表の山下裕二さん(44)が中に入ると、参加者らも興味深そうに続いた。9月20日の実地研修の一こまだ。

 「天井に染みがあれば大きさを測ること。次に来たときに大きくなっていたら雨漏りしている可能性がある」「蛇口は約1分、通水する。排水管に水をためれば害虫などが侵入しにくくなる」

 山下さんのペンライトが次々とチェックポイントを照らす。香川県で建設業の傍ら空き家管理に携わって約17年の経験が裏打ちする指摘に、17人の参加者はうなずきながらメモを取っていた。

 実地研修は座学との2部構成。終了後、受講者らに認定証が手渡され、協会に管理士として登録される。登録者は39人となった。

 協会の設立は昨年7月。背景には、深刻な空き家の現状がある。総務省の2013年住宅・土地統計調査によると、別荘など二次的住宅を除いた全国の空き家数は約780万戸で、住宅総数の12.8%を占める。08年に比べてそれぞれ約23万戸、0.4ポイント増えた。

 今年5月には空き家対策特別措置法が全面施行した。管理士の志望者は増加傾向で、協会は7月から従来の小論文に代え、法律や住宅修繕の知識を問うネット上の試験に切り替えた。

 山下さんが管理士に求めるのは知識だけではない。「空き家を地域活性化に生かすという意志も必要だ」と指摘する。

 研修を受けた愛媛県宇和島市の不動産業曽根高一さん(64)も「地方の人口減は深刻だが、空き家が賃貸や中古住宅の市場に回れば移住者も増えるはず」と話す。今後は知人と空き家管理のNPO設立を目指すという。〔共同〕

共有
保存
印刷
その他

電子版トップ

関連キーワードで検索

空き家管理士山下裕二実地研修

【PR】

【PR】

主要ジャンル速報

北海道 28日 14:56
28日 7:00
東北 28日 7:00
28日 7:00
関東 28日 7:01
28日 7:00
東京 28日 15:40
28日 7:00
信越 28日 7:00
28日 7:00
東海 1:31
1:31
北陸 28日 7:00
28日 7:00
関西 28日 6:03
28日 6:02
中国 28日 15:00
28日 6:02
四国 28日 6:02
28日 6:00
九州
沖縄
1:31
28日 22:41

【PR】



日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報