「中国製」「国産」同じ鋳型か 卑弥呼の「神獣鏡」、傷ほぼ一致

2015/11/1 21:22
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 女王卑弥呼が中国・魏から贈られた「銅鏡百枚」の有力候補とされ、舶載鏡(中国製)か●(にんべんに方)製(ぼうせい)鏡(国産)かで論争が続く三角縁神獣鏡。奈良県立橿原考古学研究所の清水康二主任研究員が、鏡に残った鋳型の傷から舶載鏡とされる1枚と●製鏡とされる3枚が同じ鋳型から作られた可能性があることを1日までに突き止めた。

ヘボソ塚古墳の三角縁神獣鏡(左)と鶴山丸山古墳のもの。それぞれの鏡の矢印部分で、同じ鋳型の傷を示すしわが確認された(東京国立博物館蔵)=奈良県立橿原考古学研究所提供
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ヘボソ塚古墳の三角縁神獣鏡(左)と鶴山丸山古墳のもの。それぞれの鏡の矢印部分で、同じ鋳型の傷を示すしわが確認された(東京国立博物館蔵)=奈良県立橿原考古学研究所提供

 4枚とも中国製か国産の可能性が浮上。三角縁鏡は文様の正確さなどから舶載、●製に分類されるが、この分類が揺らぐことになり、製作地論争に影響を与えそうだ。

 清水さんによると、鋳型にひびのような傷があると、鏡にはひびを反映した線状のしわができる。三角縁鏡は仕上げの研磨が雑で鋳型の傷を確認しやすく、清水さんは同研究所などが行った3次元形状計測による鏡の精密な画像を分析した。

 その結果、舶載とされるヘボソ塚古墳(神戸市)の鏡と、●製とされる鶴山丸山古墳(岡山県備前市)などの計4枚はいずれも文様が違うのに鋳型の傷を示すしわの形や長さ、位置が、それぞれ2~3カ所で一致したとしている。

 清水さんは「複数箇所の一致は偶然ではありえない。鏡を鋳造後、鋳型の文様面を削って新しい文様を彫り込んだが、ひびが深いため、そのまま残り、同じ形のしわができた」とし、4枚の鋳型は同じと結論付けた。

 他にも筒野古墳(三重県松阪市)などの舶載鏡と、造山1号墳(島根県安来市)の●製鏡は同じ鋳型から作られたと確認し、さらに増える可能性がある。

 清水さんは「途中から日本で作ったとすると、鋳型をわざわざ中国から運んできたことになり可能性は低い。舶載、●製の分類は意味がなくなった」と話している。

〔共同〕

 ▼三角縁神獣鏡 古墳時代の早い段階で古墳に副葬されることが多く、縁の断面が三角形をしている。日本で500枚以上確認され、文様の正確さなどから400枚近くが舶載とされる。
 卑弥呼が中国・魏に使いを送った「景初三年」(239年)を銘文に持つ鏡があるため、魏から卑弥呼に贈られた鏡との説もある一方、中国では1枚も出土していないことから国産説も根強い。〔共同〕

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