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TPP、日本に恩恵大きく 世銀2030年試算でGDP2.7%増

2016/1/8 0:45
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 環太平洋経済連携協定(TPP)が日本経済に大きな恩恵をもたらすことが世界銀行の試算で明らかになった。日本の国内総生産(GDP)は2030年までに2.7%押し上げられ、加盟12カ国平均の2倍以上になる。モノの輸出だけでなく東南アジアへの小売業などの進出が増える効果を見込んでおり、早期の発効で果実を取り込むことが課題になる。

 TPPは関税の撤廃などでモノの貿易拡大を促すだけでなく、各国の規制緩和を通じてサービス産業なども国境を越えて事業展開できるようにするのが特徴だ。加盟12カ国は2月4日にもニュージーランドで協定の署名式を開く方向で最終調整に入った。各国の承認手続きが順調に進めば、早ければ17年にも発効する見通しだ。

 世銀は加盟各国の14年のGDPと輸出額を基準に30年時点の押し上げ効果を試算した。日本政府が昨年12月に公表した試算では、農業の強化策など国内対策の効果も加味したが、世銀の試算には入っていない。

 世銀の試算によると、加盟12カ国のGDPは平均で1.1%押し上げられる。効果が最も大きいのは米国向けの繊維製品の輸出が増えたり、外資規制を撤廃したりするベトナムの10%。同様に外資規制を撤廃するマレーシア(8%)やブルネイ(5%)が続いた。日本は2.7%で12カ国中6番目に入った。実額では押し上げ効果は13兆円程度に達する。

 米国やカナダ、メキシコは北米自由貿易協定(NAFTA)で既に貿易が自由化されていることを踏まえ、TPPの効果は限定的とした。米国のGDP押し上げ率は0.4%、カナダは1.2%にとどまった。

 輸出額は12カ国の単純平均で12.0%増えると見込み、ベトナム(30.1%)がGDPと同様にトップだった。日本はこれに続き、23.2%増えるとはじいた。

 日本がGDPや貿易の面で恩恵を受ける国の上位にいるのは、特に東南アジア地域で規制緩和が進み、ビジネスチャンスが広がるためだ。これまで規制により進出を阻まれていたコンビニや銀行が進出できるようになる効果が大きい。

 世銀もTPPの経済効果は関税撤廃よりも、外資規制や複雑な税関手続きなどの「非関税障壁」の撤廃や緩和による効果のほうが大きいと結論づけている。12カ国のGDP押し上げ効果のうち、関税撤廃が寄与する分は約15%だが、非関税障壁の撤廃・緩和の寄与分は約85%に上る。

 日本政府が公表した試算でも、関税撤廃効果に非関税障壁の撤廃・緩和の効果などを踏まえれば、GDPの押し上げ効果が14兆円になるとした。金額が過大との指摘も出ていたが、世銀の試算とほぼ同じ数字になる。

 みずほ総合研究所の菅原淳一上席主任研究員は「世銀は『TPPの真の効果はまだ不透明』ともしており、今後は早期発効により実際にメリットを示せるかどうかがカギになる」としている。

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