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課税逃れ抑える国際的な監視を強めよ

2016/4/8 3:30
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 各国の首脳らによるタックスヘイブン(租税回避地)の利用実態を示す文書が、パナマの法律事務所から大量に流出した。夫妻で資産隠しを指摘されたアイスランドの首相が辞任するなど、波紋は世界に広がっている。

 世界的に格差への不満が強まり、深刻な財政事情に苦しむ国も少なくないなか、指導者たちが課税逃れに走る姿は政治不信を強め社会の安定を損ないかねない。当事者の説明責任が問われるのはもちろんだが、課税逃れを防ぐ国際的な監視体制づくりも必要だ。

 文書は南ドイツ新聞が入手し、各国メディアで構成する国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が検証した。

 租税回避は合法のものも多いが、資金洗浄やテロ資金の供与などに使われることがある。親族や側近などを含めて、政治家が租税回避の疑いを招きかねない行為に距離をおくのは、当然だ。

 亡父がオフショアファンドを設立していたと指摘された英国のキャメロン首相は「自分は株やオフショアのファンドは持っていない」と釈明した。

 会社株式を英領バージン諸島の法人を通じて保有しているとされたウクライナのポロシェンコ大統領は日本記者クラブで「事業の透明性を高める」狙いと述べた。

 いずれも、有権者が納得できる説明だとは必ずしもいえないだろう。今後、第三者機関などによる検証も必要になる。

 課税逃れを防ぐ国際協調の取り組みは始まっている。課税対象となる非居住者の銀行口座の情報を多数の国で自動的に交換できるようにする仕組みだ。

 2014年に経済協力開発機構(OECD)が提案し、すでに20カ国・地域(G20)首脳会議でも承認された。90を超える国・地域が、18年末までに情報交換を始めることを表明している。租税回避地とされてきた英領ケイマン諸島やバミューダも参加する。一定の監視効果は見込めそうだ。

 ただ、今回の問題の震源地であるパナマは参加の意向を表明していない。バレラ大統領は実態調査を始める方針を示したが、さらに踏み込んで各国との情報交換にも早く参加するよう求めたい。

 日本は今年の主要7カ国(G7)議長国である。情報交換の開始を18年末より前倒しする姿勢を示すなど、課税逃れ問題への取り組みを主導すべきだ。

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