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人気絶頂のインスタグラム 「ステマや広告過剰」批判も
藤村 厚夫(スマートニュース執行役員)

2016/4/4付
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 1年間で国内ユーザー数を倍増させるなど、最も元気な交流サイト(SNS)が「インスタグラム」だ。昨年6月時点の国内ユーザー数は800万人を超える。同3000万人超のツイッターには及ばないが、全世界では月間実利用者数が4億人を超え、ツイッターを大きくリードするまでに成長した。

米連邦取引委員会は、モデルらに高額の対価を支払ってたことに関して某デパートを告発
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米連邦取引委員会は、モデルらに高額の対価を支払ってたことに関して某デパートを告発

 日経MJでも何度かマーケティングへの応用が紹介されてきたインスタグラムだが、人気絶頂の陰で、問題点も指摘されるようになっている。

 その一つが、ステマ=ステルスマーケティングの問題だ。企業が提供する商品やサービスなどの宣伝が、「宣伝」との断りなく、数多くの人気インスタグラマーらの投稿として発信されていると指摘されている。

 昨年5月、米老舗ファッション誌「ハーパーズ バザー」が100万人近いフォロワーを擁する人気インスタグラマーの内幕を暴露した。そのインスタグラマーの投稿に企業が群がり、1つの写真投稿に5000ドルから1万5000ドルの値がついている、などと業界筋の情報として取り扱った。

 さらに昨年11月には60万人近いフォロワーを有したインスタグラマーが、過去の投稿を削除した上で、その投稿に企業が膨大な費用を支払っていたことを告白した。

 極めつきは3月に、米連邦取引委員会があるデパートを罰したことだ。同デパートは、モデル兼人気インスタグラマーら50人に数々の衣料品を提供して投稿させていた。それに対し、高額の対価を支払っていたことを告発したのだ。1000万人を超えるフォロワーに影響を及ぼした大規模かつ明白な宣伝行為でありながら、それを明示しなかったというわけだ。

 むろん、この種の「事件」の責任を一方的にインスタグラムに求めるわけにはいかない。だが、異なる方向からインスタグラム自体への批判も飛び出してきている。

 例えば、米国の著名ブロガーであるオム・マリク氏だ。同氏はインスタグラム上に現れる広告にうんざりとする論を自身のブログに掲げた。広告があふれかえり、さらにその品質が低いと手厳しい。

ふじむら・あつお 法政大経卒。アスキー系雑誌の編集長、外資系IT(情報技術)企業のマーケティング責任者を経て2000年にネットベンチャーを創業、その後の合併でアイティメディア会長。13年から現職。東京都出身、60歳。

ふじむら・あつお 法政大経卒。アスキー系雑誌の編集長、外資系IT(情報技術)企業のマーケティング責任者を経て2000年にネットベンチャーを創業、その後の合併でアイティメディア会長。13年から現職。東京都出身、60歳。

 同氏はさらに、親会社のフェイスブックにも矛先を向けた。同社は性別や収入など膨大な個人情報を持っているのに、ユーザーとまったく関係のない広告を表示していると、皮肉を効かす。

 「(かつては)きらびやかで美しく感じられたインスタグラム広告も、いまでは品質が落ち、日曜日の新聞折り込み広告のように成り下がっている」と指摘するメディアも出てきた。フェイスブック本体の成長に限界が近づいているため、インスタグラムが稼ぎまくる必要があるからだとする解説まである。

 インスタグラムは最近、従来は単純に時系列順に表示していたが、今後はアルゴリズムで優先度を決めて投稿写真を表示するという変更を発表した。多くのユーザーに人気の高い投稿を優先表示し、閲覧数を増やす狙いだ。人気投稿とともに広告の閲覧数も増やす試みとも指摘される。いまや、ファッション業界を揺るがす影響力を持つようになったので、変更の影響は大きいはずだ。

 前述のマリク氏は、表示するコンテンツの選択基準などを明確に示すべきだと主張する。利用者の手による写真や動画の投稿をシンプルに楽しむことから出発したSNSは、その影響力の大きさゆえの課題も担う時期にさしかかっている。

[日経MJ2016年4月4日付]

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