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悲観大国ニッポン 英語の情報収集が脱出のカギ
(徳力基彦)

2016/3/4付
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 日本人は自国の将来に対して最も悲観的な「悲観大国」である――。エデルマンが毎年実施している信頼度調査「2016 エデルマン・トラストバロメーター」(世界28カ国の3万3千人以上を対象)の調査結果だ。

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 それによると、「自分と家族の経済的な見通しについて、5年後の状況が良くなっているか」という問いに対し、良くなっていると考える日本人は2割以下だった。

 調査したのは15年だから、5年後といえば、2020年の年の東京オリンピックが開催される年。普通に考えれば、当然良くなっていると回答する人が増えてよいはずなのに、28カ国中最下位。トップのインド(8割以上)、5位の中国(7割以上)と比較すると、見事なまでの明暗が出ている。

 さらにショックだったのが、社員の自分が働いている会社に対する信頼度についての設問でも、日本人は4割しか自分が働いている企業を信頼しておらず、断トツの最下位だった。

 以前はここまで低くなかったそうだ。だが、11年の東日本大震災を契機に発生した様々なゴタゴタが、人々の政府や組織への信頼を大幅に低下させ、今日に至っても回復していないようだ。

 ただ、興味深いのは、世界の人々の日本企業に対する信頼度は6割と調査対象国のなかで高いグループに入っている点だ。とくに中国人からの信頼度は前年より10ポイント以上回復している。

 日本企業に対する信頼度が低いのは日本人自身なのだ。日本が長らく続いている低迷から抜け出すためには、この「信頼」回復がカギになると見ることもできる。

 筆者も2月上旬、エデルマン・ジャパン(東京・港)が主催した調査結果の発表会に、小池百合子衆議院議員やデルの平手智行社長とともにパネリストとして参加した。興味深かったのは、日本人の英語での情報収集能力が信頼回復の一つのポイントではないかという議論だ。

 日本人は生活が日本語中心なこともあり、情報収集がどうしても日本のメディアに偏る。日本のメディアが報じているのは日本の事件や騒動が多い。そうすると、世界的に日本や日本企業が恵まれていても、どうしても視線が内向きになり悲観的になってしまっているのではないかという視点だ。

とくりき・もとひこ 名大法卒。NTTを経て06年アジャイルメディア・ネットワーク設立に参画、09年社長。14年3月から取締役最高マーケティング責任者(CMO)。

とくりき・もとひこ 名大法卒。NTTを経て06年アジャイルメディア・ネットワーク設立に参画、09年社長。14年3月から取締役最高マーケティング責任者(CMO)。

 英語で世界のメディアからも情報収集をすることができるようになれば、世界において相対的に日本や日本企業がどの位置にあるかも把握でき、印象も変わるだろう。

 また、当然、企業や経営陣の振る舞いも重要だ。エデルマンの調査では、企業に対する信頼が低下した理由として「社会全体のために貢献してくれないから」という回答がトップを占めていた。つまり、自社の利益を確保するために手段を選ばないような企業ではなく、事業が社会全体にどのように貢献をしているかというメッセージを発信している企業が信頼を獲得する。

 四半期決算の導入が日本の経営者の思考を短期的に変えてしまい、昔の日本の経営者が当然のように持っていた「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」の三方良しの視点を失ってしまった。会議ではこんな意見も議論された。

 インターネットの普及により、企業は社員や顧客と直接コミュニケーションがとりやすい時代となった。いかにそれらの新しいツールを組み合わせて社員や顧客の信頼を取り戻すのかという視点が、今後日本企業復活のカギになりそうだ。(アジャイルメディア・ネットワーク取締役)

〔日経MJ2016年3月4日付〕

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