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イスラエルの「発想」とコラボしイノベーション
サムライインキュベート社長 榊原健太郎

2015/12/17付
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 11月30日と12月1日の2日間にわたり、村田製作所のヨーロッパ子会社「ムラタ・エレクトロニクス・ヨーロッパ」(オランダ)と当社の共催により、イスラエルで「ハッカソン」を実施した。

 ハッカソンは新規事業アイデアを形にし、競い合うイベントのことだ。今回は村田製作所の持つ数種類のセンサーを活用し、短期間でハードウエアやソフトウエアを創造し、開発することを目的とした。

 日系の大手企業と一緒にイスラエルでハッカソンを行うのはこれで2回目だ。前回はトヨタ自動車系のトヨタIT開発センター(東京・港)がパートナーだった。

74年生まれ、関西大学卒。大手医療機器メーカーを経て00年アクシブドットコム(現VOYAGE GROUP)入社。08年にIT起業家の育成支援をするサムライインキュベートを創業
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74年生まれ、関西大学卒。大手医療機器メーカーを経て00年アクシブドットコム(現VOYAGE GROUP)入社。08年にIT起業家の育成支援をするサムライインキュベートを創業

 今回の参加者の年齢層は幅広く、下は15歳、上は60歳だった。約50人の参加者の2割程度は女性だった。日本で行う場合より女性の比率は高くなる。参加申込者から選ばれた11チームは熱心に取り組み、様々なアイデアを出した。本気でイノベーションを起こそうとしていた。

 村田製作所は起業家やスタートアップの柔軟な創造力に期待していた。自社のセンサーを活用できそうな新しい事業領域を探っていた。同社の野崎道則テクノロジーマーケティングマネジャーは「センサーで吸い上げたデータの使い方が面白く、イスラエルのみなさんの頭脳に驚いた」と語っていた。

 イスラエルはソフトウエアの分野で圧倒的な発想力を持つ企業が多い。一方、村田製作所は電子部品に代表されるハードウエアづくりにたけている。両者の相性は抜群に良い。野崎氏は「国によって異なった発想が生まれる。今後も色々な国や地域でハッカソンを開催したい」と語った。

 今回のハッカソンの目的は、村田製作所とイスラエルのスタートアップが協業(コラボレーション)してイノベーションを起こすことだ。ただ、本気で事業化するには、円滑なコミュニケーションが必要だ。国境を超え、宗教観や文化が異なると、細かな意思疎通に限界がある。

 この点では当社のイスラエル拠点の代表を務めるヨニー・ゴランが大活躍してくれた。彼がいなければこのハッカソンの成功はなかったとも言えるだろう。

 ヨニーはイスラエル人であるが、日本に数年住んでいた経験もあり、日本語が堪能だ。彼の妻は日本人で娘もいる。日本とイスラエルの多国籍の家庭を持つ彼は、イスラエルの心を持ちながら、日本人の心も理解している。だからこそ、参加チームの熱意を最大限に引き出せたのだ。

 今回のハッカソンを通して次の3点がイスラエル人がイノベーションを起こし続けている理由ではないかと感じた。

 1つは議論好きなことだ。彼らは常に意見をぶつけあっているので、様々な角度から物事を考えることができる。

 2つめは常に常識を疑っていることだ。自問自答を続け、問題点を発見する能力にたけている。

 最後に問題解決のスピードだ。何か問題を見つけると、すぐに解決しようとする。この国の実力は間違いないと改めて認識した。

 今回のハッカソンの優勝チームは日本への航空券を手にし、12月4日に東京で開かれた「サムライ・イスラエル・サミット」に出場した。このイベントはスタートアップと大企業のマッチングを目的としている。彼らは数百人の前で自分たちのアイデアを披露し、日本の大企業と協業する大きなチャンスを手にした。

 優勝チームの代表者であるNimrod Kramer氏は「今回のハッカソンを通して、村田製作所をはじめとする日本企業とのつながりができた。高い品質や技術力、大きな販路を有する日本企業とコラボレーションし、世界を変えるテクノロジーを一緒に育てていきたい」とヘブライ語で話してくれた。

[日経産業新聞2015年12月17日付]

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