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民需主導の成長促す環境整備を急げ

2015/11/17 3:30
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 内閣府が発表した7~9月期の国内総生産(GDP)速報値は物価変動の影響を除いた実質で前期比0.2%減、年率換算で0.8%減となった。

 2四半期連続のマイナス成長となった。中身はそれほど悪くないが、日本経済の停滞が改めて浮き彫りになった。

 マイナス成長の主因は在庫投資の減少で、GDPを年率2.1%分押し下げた。GDP統計上は在庫が増えれば成長率を押し上げ、逆に在庫が減ると下押しする。

 今回は個人消費の緩やかな増加を背景に、在庫調整が進んだ結果といえる。パリ同時テロの余波で海外経済の下振れリスクは残るが、景気の先行きを過度に悲観視する必要はないだろう。

 個人消費は夏場の猛暑でエアコンや夏物衣料の販売などが伸び、2四半期ぶりにプラスとなった。輸出や住宅投資もプラスだ。

 同じマイナス成長だった4~6月期と比べると、景気の足どりはしっかりしている。賃金総額である雇用者報酬が高い伸びを保っているのも好材料だ。

 気になるのは、設備投資が2四半期連続で減ったことだ。中国経済の減速などで企業が投資を先送りしている可能性がある。

 甘利明経済財政・再生相は企業経営者に「企業収益が過去最高水準でも設備投資しない経営判断はいかがなものか」と苦言を呈した。官民対話の場で、経済界に設備投資を要請していくという。

 しかし、政府は自らの宿題を忘れてはならない。法人実効税率を早期に20%台に下げる道筋をつけるとともに、規制改革を迅速に断行すべきだ。

 経済協力開発機構(OECD)は今月発表の経済見通しの中で、日本経済の実力を示す潜在成長率をそれまでの0%台後半から0.4%に下方修正した。

 日本経済がこれほど頻繁にマイナス成長に陥りやすくなっているのは、そもそも潜在成長率が低くなっているからだ。

 いま政府がやるべきことは構造改革を通じて潜在成長率を押し上げつつ、民需主導の景気回復を後押しする環境を整えることだ。

 2015年度補正予算案には環太平洋経済連携協定(TPP)対策なども盛り込む方向というが、農業の競争力向上につながる内容に重点を置いてほしい。公共事業などで目先の成長率を安易に押し上げようとするのは慎むべきだ。

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