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街が起業の展示場 テルアビブ、市民も新技術体感
サムライインキュベート社長 榊原健太郎

2015/11/5付
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 9月初旬にイスラエルで開催されたスタートアップの祭典「DLD テルアビブ」には多くの日本企業が参加した。日本からの参加者はイスラエル企業の高い技術力や、街中で感じられるスタートアップの盛り上がりに関心を示していた。

スタートアップの出展ブースに市民が気軽に立ち寄る(9月、イスラエルのテルアビブ)
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スタートアップの出展ブースに市民が気軽に立ち寄る(9月、イスラエルのテルアビブ)

 DLDが開かれたテルアビブは街中がスタートアップであふれていた。中心街にあるロスチャイルド通りでは、スタートアップの出展ブースが数百も立ち並んでいた。

 仮想現実(VR)のソフトウエア、ロボティクス、ウェアラブルデバイス、人工知能(AI)など様々な分野のスタートアップが路上で自分たちのテクノロジーを展示していた。雨があまり降らないイスラエルならではの取り組みだ。

 DLDの期間中、テルアビブの中心街に位置するスタートアップ企業のオフィスは誰もが自由に出入りできる。「オープンスタートアップ」と呼ばれる企画だ。弊社のコワーキングスペース(共用オフィス)も2日間開放した。

 市内を歩く家族連れやカップルなど、一般市民もスタートアップのテクノロジーに興味を持ち、広く触れ合っていた。これがスタートアップ大国であるイスラエルの強さなのかもしれない。国民全体がテクノロジーに興味を示している。

 DLDを主催しているのはヨッシ・ヴァルディという人物だ。彼は「ICQ」というインスタントメッセンジャーサービスを生み出したスタートアップの創設メンバーの1人だ。

 テルアビブ市長とタッグを組み、スタートアップ大国であるイスラエルの存在感を世界に示した。日本に置き換えてみると、舛添要一東京都知事と私が共同でスタートアップイベントを行っているようなものだ。

 欧米の企業は古くからイスラエル企業に興味関心を示しており、毎年多くの企業が参加している。最近は韓国や中国などアジアのスタートアップたちもDLDに団体で参加していた。

 昨年まではほとんど日本企業の参加がなく、日本の存在感の薄さを感じた。おそらく、日本企業はいくつかの誤解をしており、イスラエルに来ないことが多いようだ。

74年生まれ、関西大学卒。大手医療機器メーカーを経て00年アクシブドットコム(現VOYAGE GROUP)入社。08年にIT起業家の育成支援をするサムライインキュベートを創業
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74年生まれ、関西大学卒。大手医療機器メーカーを経て00年アクシブドットコム(現VOYAGE GROUP)入社。08年にIT起業家の育成支援をするサムライインキュベートを創業

 誤解の例を挙げると、パスポートにイスラエルのスタンプが押されてしまうとアラブ諸国に行けなくなるのではないかというものや、イスラエル全体が危険な場所というものだ。だが、実際には最近の出入国審査でパスポートにスタンプは押されなくなったし、テルアビブは日本と同じくらい安全だ。

 イスラエルに対する誤解はまだある。我々がハブになり、誤解を解くことで2国間の関係を強化していきたい。それにはイスラエルにおける日本企業の存在感を示す必要がある。

 昨年、当社はトヨタ自動車のIT開発センターと「ハッカソン」を開催した。ハッカソンとは、新規事業アイデアを競い合うイベントのことだ。今年はソフトバンクグループとビジネスマッチングイベントを行った。

 11月には村田製作所とイスラエルでハッカソンを開く。来年2月に当社が主催するイスラエルツアーでは、前回より多くの日本企業を連れていきたいと思う。次回はDLDのような大きなイベントの予定はないが、協業先となるイスラエル企業を真剣に探そうとしている大企業を対象にしたツアーを企画し、スタートアップの発掘とマッチングをサポートする。

[日経産業新聞2015年11月5日付]

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