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社会保障の維持へ能力に応じた負担を

2015/7/31付
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 8月から介護保険制度の利用者負担の仕組みが変わる。負担能力があるかどうかをこれまでよりも詳細に調べ、「能力あり」と判断された人の負担を増やす。

 少子高齢化で保険財政は逼迫している。能力に応じて適切な負担をしてもらうことは避けられない。個人情報の保護には十分留意し、利用者の理解を得ながら進めてほしい。

 従来は、介護が必要な高齢者が介護保険を利用すると、費用の1割を自分で負担してきた。8月から、一定の所得以上の人はこの負担が2割になる。

 もう一つ注目しなければならないのは、特別養護老人ホームや老人保健施設などの利用者に対する補助基準の見直しだ。

 従来は所得だけが基準で、所得が少なく住民税がかかっていない世帯であれば補助を受けることができた。それが見直しによって預貯金や有価証券などの資産額を調べることになった。

 具体的には、配偶者がいる人の場合、資産の合計金額が2000万円を超えていれば補助の対象から外す。配偶者がいない人なら1000万円が基準だ。

 配偶者の所得状況も厳格に勘案する。従来は所得の少ない妻が施設に入ったとき、その妻の住民票を施設所在地に移したりして世帯を分離すれば、夫に一定以上の所得があっても妻は補助の対象となってきた。こんな場合、8月からは補助を受けられなくなる。

 資産はあってもすぐには取り崩せないという人や、夫婦といっても生活の勘定はまったく別という人もいるだろう。そういう人たちから見れば、納得しがたい見直しかもしれない。

 しかし、国も地方も財政は逼迫している。制度を支える現役世代の負担を抑えるためにも、ある程度は高齢世代の中で負担してもらう方向はやむを得ない。

 もっとも現状では、介護保険を運営する自治体が利用者の資産を把握する有効な手立てがない。利用者やその家族に通帳の写しなどを提出してもらうことになり、手間がかかる。一部の自治体では介護職員に資産調査を協力させ、混乱も起こっているようだ。

 こうした状況を解消するには、マイナンバー制度の活用も検討すべきだろう。介護保険制度のみならず社会保障制度全体において、より公正で公平な負担を目指し努力を重ねていきたい。

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