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イスラエルの起業家、日本企業に食指
サムライインキュベート社長 榊原健太郎

2015/2/26付
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 2015年の年明けからイスラエルでは早速大きな動きがあった。今年のイスラエルのスタートアップへの投資額本年分(1月1日から45日経過時点)の合計(1800億円)が、既に日本の昨年度のスタートアップ投資額(1800億円)を上回ったのだ。大手テクノロジー企業による、現地スタートアップのM&A(合併・買収)や出資が相次いだからだ。

74年生まれ、関西大学卒。大手医療機器メーカーを経て00年アクシブドットコム(現VOYAGE GROUP)入社。08年にIT起業家の育成支援をするサムライインキュベートを創業
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74年生まれ、関西大学卒。大手医療機器メーカーを経て00年アクシブドットコム(現VOYAGE GROUP)入社。08年にIT起業家の育成支援をするサムライインキュベートを創業

 内訳は約半分がM&Aで、残り半分が通常の出資によるものだ。投資を行った企業は韓国サムスン電子や中国のアリババ、米アマゾン・ドット・コム、米マイクロソフト、米ドロップボックスなど。特にタブレット(多機能携帯端末)、情報セキュリティー、ヘルスケア、半導体など、近年注目の集まる分野への投資が目立つ。イスラエルが最先端を走っていることの表れといえるだろう。

 実は、我々もある業務提携に立ち会った。セキュリティー系スタートアップを日系企業とつなぎ、無事に業務提携が決まったのだ。そのほか、人工知能(AI)系のスタートアップや、その他の特許を持つスタートアップを日本企業につないでおり、これらも話が前向きに進んでいるようだ。

 また、2月中旬には某音楽サービスを展開している日系企業の重役が、私のミーティングに1週間同行した。現地ハイテク企業15社ほどとコラボの可能性を議論するなど、積極的に現地企業をつないだ。もし、これを読んでいる方々にも同様のニーズがあれば、ぜひご連絡いただきたい。

 現地でスタートアップとコミュニケーションしていてわかったことだが、実はイスラエルのスタートアップも、日本企業に格別な興味を持っている。それは、日本は古くからの技術立国だからだ。マーケティングやオペレーションなどの点で非常に優れてもいる。世界へのネットワークも十分にあり、改善を重ねて高い品質を維持している。イスラエルのスタートアップは、まさに日本企業のこのような部分を欲している。

 アップル、グーグル、フェイスブック、インテルなどの欧米IT(情報技術)企業がイスラエルに高い関心を示しているにも関わらず、これまで日本企業はほとんど注目していなかった。それはなぜか。現地でイスラエルのテクノロジーについて発信する日本人がほとんどいなかったからだと私は思う。

 適切な情報が少なく、日本人はいろんな点でイスラエルを勘違いしているのではないかと感じる。こちらに住んでみて、その違和感に気付いた。いくつか例を紹介する。

 まずは、戦争が絶えない地域と思われるだろうが、テルアビブなどの都市部は厳重なセキュリティーがあり、安全だ。また、イスラエルは未開の地であり、砂漠ばかりの国だと思われるかもしれないが、レストランやスーパーなどもあり、生活環境はかなり整備されており、日本と変わらない環境で住むことができる。美しいビーチもある。

 イスラエル人は皆、気難しい人柄ではないかと勘違いする人も多いかもしれないが、イスラエルには本当にフレンドリーで親切な人が多い。失敗を肯定する文化があり、東京のようなストレス社会とは程遠く、自殺のようなこともほとんど聞かない。

 こういった思い込みが理由で日本人が来ないのであれば、非常にもったいない。

 イスラエル進出10カ月目に入り、徐々に成果も出始めている。このようなイメージさえ払拭できれば、これからは、日本でもますます注目を集め、両国間のビジネスが盛んに行われるようになるだろう。我々はイスラエルと日本をつなぐ懸け橋のような存在になれるよう、現地のハイテク技術と日本企業の世界的なハブになりたいと思う。

〔日経産業新聞2015年2月26日付〕


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