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安倍政権は農協の抜本改革を断行せよ

2015/1/25付
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 農業協同組合の抜本改革をめぐり、自民、公明党で本格的な議論が始まった。両党とも改革は慎重に進めるべきだとの声が目立つ。背景には、4月の統一地方選や来年夏の参院選で農協の組織票を失うことへの懸念があるようだ。

 しかし、農協法に基づく権益を維持しようとする全国農協中央会(JA全中)の揺さぶりで農協改革が後退するようでは、安倍政権が推進する岩盤規制改革への期待は失望に変わる。農業の競争力強化に向け、安倍晋三首相は指導力を発揮すべきだ。

 政府は自民、公明両党の議論を踏まえて農協法改正案をまとめ、通常国会に提出する方針だ。改革は全中制度の見直し、農家以外の「准組合員」の利用制限、全国農協連合会(JA全農)の株式会社化などが柱になる。

 全中制度は地域ごとの単位農協に対する全中の指導・監査権限をなくし、公認会計士による監査に変える方針だ。全中は一般社団法人として農業振興策などをまとめる組織に変わる。

 農協は本来、農家が自主的に設立する草の根型の組織だ。頂点に立つ全中が指導・監査を通じて単位農協を縛るあり方は変えて当然だ。身内の監査から公認会計士による外部監査に変われば、経営の透明性も高まる。

 農協は農家の協同組合であり、農家以外の准組合員が過半を占める現状は改めるべきだ。規制改革会議の作業部会は昨年5月、「准組合員の事業利用は正組合員の事業利用の2分の1を超えてはならない」とする具体案を提言した。

 農家による農家のための組織であるからこそ、農協には銀行、保険業務の兼営など「特権」が認められている。農協法改正案では准組合員の利用について具体的な制限を盛り込むべきだ。

 全農の株式会社化は単位農協が株主となり、健全な事業運営ができているかをチェックすることが狙いだ。経営合理化で農産物の販売手数料を軽減したり、企業と連携を強めたりするためにも株式会社への転換を進めてほしい。

 農業の現場で大規模な生産者の多くは農協を利用せず、農産物を直接、小売りや外食産業に売り込む。現状の農協には対価を払うだけの利用価値がないとみているからだ。農協改革で今後の主役と位置づけられる単位農協も自ら経営感覚を磨いて魅力を高め、農家に存在意義を訴えてもらいたい。

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