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大間原発審査で問われるもの

2014/12/21付
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 青森県大間町で建設中の大間原子力発電所について、事業者のJパワーが原子力規制委員会に安全審査を申請した。同社は2021年度の運転開始をめざしている。

 新規制基準を踏まえ、再稼働に向けた安全審査を申請した原発は20基にのぼる。だが大間は新設であること、燃料や設計が違うことなど、他とは異なる点が多い。

 それらを踏まえ、規制委が厳格に安全性を審査するのは当然だ。審査と並行し、政府としてもやるべきことが多い。地元だけでなく周辺自治体の理解をどう得るのか。使用済み核燃料を再利用する核燃料サイクルの位置づけを明確にすることも欠かせない。

 大間原発は燃料のすべてにウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を使う新型炉だ。08年に着工後、東日本大震災で工事が中断した。Jパワーは新基準に合うように設計を変更し、総建設費は約6千億円にのぼる。

 安全審査の申請自体は事業者の経営判断に属することだ。一方で大間原発の運転開始を認めるかどうかは、さまざまな課題を考慮して判断しなければならない。

 安全面では、燃料の一部にMOXを使う方式は国内外の原発で実績がある。だが全量をMOXにして同様の安全性を保てるのか。規制委は科学的知見を踏まえて判断し、根拠を明示してほしい。

 MOX燃料の利用は、他の原発の使用済み核燃料から取り出したプルトニウムを再利用する核燃料サイクルの推進が前提だ。だが政府が4月に決めたエネルギー基本計画では、核燃料サイクルの位置づけがあいまいなままだ。

 中長期的に原発にどの程度依存するのか。再処理はどこまで必要か。政府はもっと詰めるべきだ。

 津軽海峡を挟んだ北海道函館市は「大間で事故が起きれば市民に危険が及ぶ」として建設中止を求める訴訟を起こした。同市は原発から30キロ圏にあり、避難計画をつくる義務を負う。国として周辺自治体の意見を調整するルールづくりも必要だろう。

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