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「限定適正」でも見通せぬ東芝再建の行方

2017/8/11 2:30
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 債務超過に陥り経営再建を進めている東芝が10日、監査法人から「限定付き適正」の意見を得た2017年3月期の有価証券報告書を提出した。

 提出は6月末が期限だったが、監査法人の意見が定まらなかったため、1カ月以上も遅れてしまった。「限定付き適正」は「米原発事業の経理処理に不透明感が残るが、それ以外の決算は正しい」という判断を示す。不完全な形とはいえ、東芝の監査を巡る迷走には一応の終止符が打たれる。

 監査法人の意見が、決算の正しさを保証しない「不適正」だったり、材料不足で判断できないことを示す「意見不表明」だったりすれば、東芝が上場廃止になる可能性が高まるところだった。そうした事態がかろうじて避けられたことで、胸をなで下ろした投資家も多いことだろう。

 しかし、東芝の再建にはまだ高いハードルが残っており、経営の先行きは見通しにくい。

 まず、東芝は東京証券取引所の審査をクリアする必要がある。東証は内部管理体制の不備を理由に、東芝を上場廃止の可能性がある特設注意市場銘柄に指定している。注意銘柄への指定解除の判断は提出された前期の有価証券報告書などがもとになる。「限定付き適正」の意見は解除への有力な参考情報にはなっても、必ずしも決め手にはならない。

 投資家保護の視点から、東証の判断は重要だ。今後は不透明な巨額損失が突如発生するようなことがないかどうか、といった点からの見きわめが要る。

 そして何よりも、東芝自身が経営の立て直しを軌道に乗せなければならない。監査問題が収束に向かうことで、経営陣には再建策を見直す余裕も生まれるはずだ。

 現在の再建策の軸は、政府系ファンドの産業革新機構などへの半導体メモリー事業の売却だ。売却資金で18年3月期末までに債務超過を解消しなければ上場廃止となってしまう。しかし、長年のパートナーである米ウエスタンデジタルと対立していることもあり、交渉の進捗は鈍い。

 東芝の綱川智社長は10日の記者会見で、革新機構以外のグループとのメモリー事業の売却交渉についても言及した。東芝本体の直接支援に関心を示す資本の出し手を探し直すなど、事業売却に替わる新しい方策も考えられるのではないか。

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