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春秋

2017/8/9 2:30
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 近所のホームセンターをのぞいてみると、なるほど目立つところに並んでいる。アリを駆除するための薬剤やエサの入った容器がずらり。南米原産で強い毒を持つヒアリが各地で見つかってから、売れ行きが目に見えて伸びているそうだ。メーカーも増産の構えである。

▼万一、子どもたちが遊ぶ野原や公園にヒアリがいたらどうしよう。お父さんお母さんがこんな不安を抱くのは当然だろう。もちろん注意は必要だ。しかし一般の人がやみくもに駆除しようとするのは問題があるらしい。在来種のアリが死に、かえってヒアリが入り込む生態系の隙間をつくることになりかねないのだという。

▼「外来種」と聞くと、海の向こうから日本を目指してやって来る迷惑な生きもの、と考えてしまいがちだ。だが逆のケースだってある。最近では日本在来のコガネムシであるマメコガネが、米ミネソタ州などで大発生している。「ジャパニーズ・ビートル」というありがたくない名前で呼ばれ、農作物を食い荒らすそうだ。

▼もっとも当の外来種たちにしてみれば、意図せず放り込まれた新しい環境のなかで、必死に生き抜こうとしているだけなのであろう。危険な生物はヒアリに限らない。クマもヘビもハチも、ダニだって怖い。ヒアリをめぐる水際の戦いはお役所や専門家に託し、生きものの不思議と危険について親子で学びあう夏にしたい。

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