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車の新時代に布石打つトヨタ・マツダ提携

2017/8/8 2:30
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 トヨタ自動車マツダが電気自動車(EV)に関する技術開発や米国での工場新設で提携することで合意した。環境や自動運転技術をめぐって世界の自動車市場の競争は激化しており、今回の縁組が日本車の競争力強化につながることを期待したい。

 両社は生産や開発を共同で進める業務提携にとどまらず、少数の株式を互いに持ち合う資本提携も実施し、かなり深い協力関係に踏み込むことになった。

 背中を押したのは、車をめぐる急激な環境変化だ。ひとつの軸は技術革新で、英仏などで2040年までにガソリン車などの販売を禁止する動きが出ているように、過去100年以上続いた「車の動力源はもっぱらエンジン」という時代が終わろうとしている。

 トヨタはハイブリッド車の開発で世界をリードしてきたが、EVの事業化には慎重だった。マツダもエンジンの燃費向上では実績をあげたが、その他のエコカー開発には手が回りきっていない。そんな両社が互いの経営資源を持ち寄ってEVに関する技術開発を加速し、欧米勢や中国企業に対抗する戦略は理にかなっている。

 米国での共同生産については、保護主義色の強いトランプ政権対策の意味合いもありそうだ。

 両社は近年、個別にメキシコでの現地生産を強化してきたが、加えて米国でも折半出資で新工場を立ち上げる。リスク分散をはかりつつ、米国重視の姿勢を打ち出す妙案かもしれない。

 こうした自動車会社同士の提携や出資を「業界内再編」とすれば、今後それに劣らず重要になるのは、業界の外にいる研究機関やベンチャー企業との連携だ。

 人の運転手を人工知能(AI)や視覚センサーで補助したり代替したりする自動運転技術の競争が、米グーグルなど有力IT企業を巻き込みながら加速している。

 こうした分野では自動車メーカーが蓄えてきた機械工学系の技術や人材だけでは対応できないことも多い。自社や系列の殻に閉じこもっていては競争に劣後する。

 トヨタはマツダとの提携発表と同じ日に、AIベンチャーのプリファード・ネットワークス(東京・千代田)に100億円強を出資すると発表した。これも危機感の表れだろう。一連の提携は自前主義がひときわ強いとされたトヨタの企業文化が変わり始める兆しなのか、注目したい。

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