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春秋

2017/8/1 2:30
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 ごく近しい高齢の男性が詐欺に遭いそうになった。小欄を借り警鐘を鳴らしたい。きっかけは木曜の夜の電話だった。「あっ、おじいちゃん。俺だけど」。男性は相手を社会人になって数年の孫だと思い込んだ。「明日、仕事が休みなんだ。昼の12時半に遊びに行くよ」

▼翌日。待てども孫は現れず、代わりに電話がある。「弁護士との相談が長引いている」。聞けば、けんかの仲裁に入って、逆に相手にけがをさせ示談金300万円を要求されたという。「すぐ返すから用意できないかな。午後2時半には行くから」。男性は慌てて銀行へ向かおうとして妻に一喝され、ようやく目が覚めた。

▼孫を装う男は「父さん母さんには内緒だよ」とも語ったという。苦境を訴え、相手の良心をくすぐる。銀行窓口が週明けまで閉じる間際の金曜の午後を狙い、男性を焦らせる。判断力を奪う目的だろう。これも「フェイクニュース」の変種なのか。悲しいことに、現代は言葉の真偽を見破る鋭い力がまず求められるようだ。

▼日々の暮らしにも落とし穴が潜み、政治の場で語られる標語や言い分も素直に飲み込めないことが多い。今夏は内閣改造、日報問題に関する閉会中審査、さらには民進党の代表選びと、美辞やら釈明が乱舞しそうだ。過ちも彩りとなる「ひと夏の思い出」などと片付けられてはたまらない。暑気の中、吟味せねばなるまい。

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