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地銀再編は顧客視点が肝心

2017/7/31 2:30
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 大手地方銀行ふくおかフィナンシャルグループ(FG)と長崎県銀行最大手の十八銀行の経営統合計画が再延期を迫られた。ふくおかFG傘下で同県2位の親和銀行と、十八銀を合わせた同県内の貸し出しシェアは7割に達し、公正取引委員会が「十分な競争が働かなくなる」として待ったをかけた。

 人口減少など地方経済の低迷にマイナス金利政策の影響が加わり、収益悪化を見込む地銀の統合・合併計画が全国で相次いでいる。

 だが市場の寡占を背景に融資金利を引き上げて、業績改善につなげるような地銀再編は認められない。公取委が発したのはこんな警鐘だ。金融庁や地銀経営者は重く受け止めるべきだ。

 今回の再編計画の公表は2016年2月までさかのぼる。当初は今年4月に経営統合し、その1年後に十八と親和両行が合併するシナリオを描いていた。しかし独占禁止法に基づく公取委による審査が難航し、今年1月にも統合時期を半年間先延ばししていた。

 今回の再延期に際して銀行側は統合時期をあえて未定とした。「公取委との交渉に腰を据えて取り組むため」という。シェアを落とすための他行への貸出債権の譲渡や、新銀行が合併をテコに貸出金利を引き上げることのないよう監視する仕組み作りなど、公取委の懸念を払拭する着地点を見つけられるかどうかが、焦点になる。

 全国でなお100行以上存在する地銀の経営環境が急速に悪化しているのは事実だ。金融庁の昨年の推計では25年3月期には本業利益が過半数の地銀で赤字になる。

 厳しい経営環境を乗り切るために再編が有力手段の一つであることに変わりはない。長崎県の場合は地銀の最大の競合相手である信用金庫の存在感が乏しいほか、離島の存在など他県の銀行が参入しにくいという特殊事情がある。

 ただ生き残りをかけた地銀再編も地元企業など顧客に貢献するものでなければ本末転倒だ。地域経済を支えるという、地銀本来の使命を追求する姿勢が欠かせない。

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