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電話網のIP移行を混乱なく

2017/7/30 2:30
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 1世紀にわたり生活や社会を支えてきた固定電話が、利用者の目に見えないところで大きく変わろうとしている。NTTは2024年に交換機を使った従来型の電話サービスを取りやめ、インターネット技術を駆使したIP電話に全面的に移行する。

 技術の世代交代は必然の流れであり、NTTの方針は妥当だ。ただ、同時に通信基盤の一新に伴う利用者の混乱やコストアップの回避に全力をあげてほしい。

 IP移行の直接のきっかけは従来型の電話サービスに必要な交換機が25年初めに維持の限界を迎えることだ。ネット技術の進化でIP電話の通話品質が向上し、交換機を使ったサービスと区別できないまでに良くなったのも大きい。

 インフラ一新に際し、NTTに求めたいのは社会への周知徹底だ。IP化はNTTの設備だけで完了し、個人宅の工事や電話機の交換は不要。電話番号も変わらず、基本料金も据え置く方針だ。

 さらに距離にコストが連動しないIPの特長を生かして、通話料は全国一律で3分8.5円とするので、長距離通話の場合は今より安くなるケースも出てくる。こうした点を加入者に丁寧に説明し、IP化を口実に、事情の分からない人に電話機の買い替えを迫るような悪徳商法を防いでほしい。

 あらゆるモノがネットにつながるIoT時代を迎え、今後も通信網を流れるデータ量は爆発的に増えるだろう。

 他方で人と人のコミュニケーションにおける固定電話の役割は小さくなり、携帯端末を使ったチャットやメールが今や主役だ。こうしたトレンドを踏まえると、音声通話にかかわるコストはできるだけ圧縮し、安上がりにサービスを提供する方策も必要だろう。

 交換機時代の技術開発の担い手はNECなど「電電ファミリー」と呼ばれた日本メーカーだったが、IP技術は米シスコシステムズなど海外勢が主役だ。残念な現状と言わざるをえず、日本勢の巻き返しは期待できるのだろうか。

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