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厳格な漁獲管理で新興国の乱獲を防げ

2017/7/26 2:36
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 政府は北太平洋漁業委員会(NPFC)の会合で、サンマの乱獲防止に向けた国・地域別の漁獲枠導入を提案した。しかし、枠の設定には漁獲が急増する中国などが反対し、合意できなかった。水産資源を守るためには厳格な漁獲管理が不可欠だ。政府は粘り強く合意形成に努めてもらいたい。

 NPFCはこれまで枠組みのなかった公海での資源管理を狙い、日本やロシア、中国、台湾などの間で条約に基づく組織として2015年に設立された。

 三陸沖の公海で近年、中国や台湾の大型漁船がサンマやサバの漁獲を急増させ、乱獲に歯止めをかける必要があったからだ。

 今回の会合で、各国の許可漁船の増加を明確に禁止できたことは前進だ。しかし、日本が提案した漁獲枠の設定には中国と韓国が反対し、合意に至らなかった。

 水産業は天然の資源に全面的に依存する産業だ。養殖も大部分は天然の稚魚をとって育てたり、餌になる魚をとったりしている。水産業を持続させるためには厳格な漁獲ルールを作り、それを徹底して天然資源を守ることが必要だ。

 中国の公海でのサンマ漁獲量は昨年、6万3千トン強と12年の31倍に急増している。台湾の漁獲量はすでに日本を上回っている。旺盛な需要を背景にした新興国の乱獲を放置すれば、資源量の減少は避けられない。

 日本に近い公海では中国とみられる未登録船の操業も水産庁の取り締まり船によって確認されている。中国の提出資料による漁獲量の信頼性にも疑問はある。

 漁獲枠を導入したうえで違反をなくし、漁獲報告の信頼性を増す努力が各国に求められる。それをけん引するのは大消費国で資源管理の経験が長い日本の役割だ。参加国の危機感を強め、合意を形成するうえで科学的な資源調査の結果を継続して示すことも有効だ。

 各国に漁獲枠の設定とその順守を求めるためには、まず日本自身が厳格な漁獲管理を実施しなければならない。

 国内沿岸では漁獲枠の定められた子供のクロマグロについて、承認のない漁業者がとったり、とったクロマグロを報告しなかったりする違反が昨年から相次いで見つかっている。日本全体でも規定の漁獲枠を超えてしまった事態は看過できない。こうした違反がクロマグロ以外の資源保護に影響することを忘れてはならない。

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