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日本企業は多様な投資家と意思疎通を

2017/7/23 2:30
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 「アクティビスト」と呼ばれるもの言う株主の活動が米国市場で活発になっている。企業への要求は様々だが、共通するのは資本を効率的に使い株主価値を高めるよう求める姿勢だ。

 日本企業にとっても株主価値の向上は重要な課題だ。もの言う株主の活動を米国市場のできごとと片づけるのは、賢明ではないだろう。米国の先例をよく学び、株主との意思疎通のすべを磨くきっかけとすべきだ。

 米国市場の最近の注目すべき事例は、代表的なもの言う株主の一人であるネルソン・ペルツ氏が、日用品大手プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)に対して、自身を取締役に選任するよう求めたことだ。背景には、P&Gの株価推移や業績の伸びが鈍いことへの不満がある。

 もの言う株主は日本にもいるが、投資対象の企業は発行済み株式数が少なく、時価総額も小さい場合が多い。米国のもの言う株主は、世界的なカネ余りを背景に運用資産が膨らんだこともあり、規模の大きな企業に注文をつけることが珍しくない。P&Gは邦貨換算で約25兆円の株式時価総額を持つ大企業だ。

 さらに米国では年金基金や、投資信託などを運用する資産運用会社が、もの言う株主の言い分を支持することが増えた。もの言う株主の要求によって企業が一段と成長すれば、年金や投信の運用改善につながるからだ。

 そうした事情が追い風となり、もの言う株主は影響力を強めている。ゼネラル・エレクトリック(GE)のトップ交代や、高級スーパー、ホールフーズ・マーケットの身売りも、両社の投資家の圧力が影響したとの指摘がある。

 企業統治(コーポレートガバナンス)改革の進展をきっかけに、日本市場への関心を高めている米国の投資家は多い。日本の大企業が米国のもの言う株主から経営改革を求められることも、今後は増えることが予想される。もちろん、要求のすべてが正しいわけではなく、目先の利益還元だけを求めるようなものも少なくない。

 しかし、不特定多数から資本を調達している上場企業は、多様な投資家と向き合わなければならない。もの言う株主に対しても聞くべき点は聞き、反論すべきことは反論する。そんな双方向の建設的な投資家向け広報(IR)活動が必要となる。

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