トップ > 社説・春秋 > 記事

春秋

2017/7/8 2:30
共有
保存
印刷
その他

 さすがに華がある――と好意的に見る向きも少なくなかったのだが、いまやその蓮(はす)の花も、人々の期待もすっかりしぼんでしまったようだ。民進党の蓮舫参院議員が、平和の象徴だという自らの名に触れつつ、代表としての抱負を熱く語ったのはわずか10カ月前である。

▼自民党の歴史的惨敗や都民ファースト躍進とともに、東京都議選であらためて浮かび上がったのはこの党の体たらくだ。獲得したのはたったの5議席。へたをすれば1議席とされた下馬評に比べれば善戦との声もあるそうだから、話にならない。かりそめにも国会では野党第1党なのに、こんどの選挙では蚊帳の外だった。

▼蓮舫代表は党勢回復の切り札だったろうに、焦るばかりなのか、どうにも顔色が暗い。しかと路線も定まらぬ組織の、深い混迷を示してあまりある。かくて安倍1強のおごり、高ぶりを極まらせていったのが蓮舫体制の10カ月ではないか。穏健な保守とリベラルが理念を競う政治からは、日本はずいぶん遠いところに来た。

▼「花と、面白きと、めづらしきと、これ三つは同じ心なり」。世阿弥の「風姿花伝」にある言葉だ。観客を感動させるものはワクワク感や新規性だということだろう。残念ながら、かの蓮の花はそんな魅力を放つことがないまま今日に至る。花の下の泥の池で、レンコンに徹すると意気込んだ幹事長の罪も一通りではない。

春秋をMyニュースでまとめ読み
フォローする

Myニュース

有料会員の方のみご利用になれます。
気になる連載・コラムをフォローすれば、
「Myニュース」でまとめよみができます。

共有
保存
印刷
その他

電子版トップ

関連キーワードで検索

春秋

【PR】



日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報