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違法な再生医療排除へ全力を

2017/7/6 2:30
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 厚生労働省は、違法な治療を実施したとして11の医療機関に再生医療の停止を命じた。他人のへその緒などの臍帯血(さいたいけつ)を使っていた。氷山の一角にすぎないとみられ、同省は違法行為の一掃へ全力をあげてほしい。

 再生医療をうたうクリニックなどは数百あるとされる。美容や抗加齢の目的で細胞を移植するが、実態はよくわからず安全性も確認されていない。自由診療で、治療費は百万円を超える場合も多い。

 再生医療の提供機関は、厚労省の認めた委員会で安全性や倫理面の審査を受けたうえで、同省に届け出るよう法律で義務付けられている。他人の細胞を使う今回のような治療はリスクが大きいため規制がもっとも厳しく、同省は計画の変更を命じることもできる。

 11機関は届け出をしていなかった。被害の報告はないが、後から健康に影響が出る心配もある。さらに問題なのは、これらのうち5機関で日本再生医療学会の会員が治療などに関わっていたことだ。

 患者にとって、受診機関に同学会の会員がいることは信頼の一つの根拠になったのではないか。学会は「性善説」に立って会員を増やしてきたというが、資格要件の厳格化も一考に値する。

 学会には認定医制度があり、法規制や技術に関する試験に合格した認定医は約600人いる。再生医療の看板を掲げるクリニックで、認定医がいるか確認するのも患者にとっての自衛策になろう。

 今回、違法行為が判明した医療機関は経営破綻した民間バンクから流出した臍帯血を使ったとみられている。国内には細胞バンクが多数あるが、経営破綻時の扱いは決めていない場合がほとんどだ。品質劣化などの懸念があり、国による規制も検討課題だ。

 臍帯血や脂肪からは様々な細胞のもとになる幹細胞が得られる。難病治療などに使うため、法律に基づく厳密な審査を経て安全性や有効性を確かめる臨床研究の計画もある。これらは違法治療と明確に切り分けて推進すべきだ。

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