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春秋

2017/7/5 2:30
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 戦国の乱世、数奇な運命に生きた女性といえば、織田信長の妹、市とその娘たちであろう。絶世の美女とされた市は最初、近江の浅井家に嫁ぐ。その浅井家が信長に滅ぼされると、武将の柴田勝家と再婚したのだった。が、ほどなく秀吉に攻められ夫婦で自害している。

▼市の3人の娘のうち上の茶々は秀吉の側室となり、跡継ぎの秀頼を産んだ。末の江(ごう)は後の徳川2代将軍、秀忠と3度目の結婚をし、3代家光や、後水尾天皇の中宮となる和子(まさこ)の母となった。激動の時代ならではの女性の半生である。都民ファーストの会を率い都議選を席巻した小池百合子知事も経歴はなかなか波乱に富む。

▼「一寸先は闇」といわれる政界をあちこちと主君を求めてわたり歩き、ついに自ら旗を揚げ首都決戦を制した。合従連衡の駒とされ、身内の争いに涙を流すしかなかった戦国の女性とは違う勇ましさだ。余勢を駆って国政へ、と早くも期待やら警戒が交錯している。知事の口からは「国民ファースト」の言葉も飛び出した。

▼大望へと種はまかれたのかもしれない。しかし「勝って兜(かぶと)の緒(お)を締めよ」である。自らが後押ししたチルドレンを一人前にはぐくみ、議会のチェック機能も働かせる責任があろう。都議選で知事への都民の信頼はさらに分厚くなっている。かじ取りをあやまり、任期半ばで退場した先代と先々代の悲喜劇はもうご免である。

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