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仏独は連携を強化し欧州の懸案解決を

2017/6/20付
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 フランスはドイツとの連携を強め、欧州の抱える懸案を解決できるか。世界の目が若き新大統領に注がれる。

 仏国民議会(下院)選挙の決選(第2回)投票で、マクロン大統領の率いる中道系の新党「共和国前進」が勝ち、連携する政党とあわせて約6割の議席を獲得した。

 既存の二大政党はともに大敗し、変革を求める有権者の声の強さを示した。独立系候補の新鮮さを強みに大統領選を勝ち抜いたマクロン氏は、議会でも安定した体制を手にする。

 この強い政治基盤を生かし、新政権はまず停滞する経済を労働市場改革などの活性化策で立て直すことが重要だ。経済が再生してこそ政治と社会が安定し、国際的発言力も高まる。

 そのうえで期待したいのは、欧州の課題への取り組みだ。

 この数年、ギリシャの財政危機、シリア難民の大量流入、英国の欧州連合(EU)離脱決定と欧州を揺るがす問題が相次ぎ、EUの将来を悲観する声も聞かれた。

 第2次大戦後の欧州統合をけん引してきたのは仏独枢軸と呼ばれる両国の強固な関係だった。しかし近年はフランスの影響力が低下し、ドイツの存在感ばかりが目立つ。EUが結束の緩みを締め直すには仏独の連携再強化が大切だ。

 マクロン氏は欧州統合の深化に積極姿勢を示している。ユーロ圏に財務相職を新設するなどの運営強化策や、防衛分野での協力推進などが候補に考えられるが、実現にはドイツの理解が欠かせない。

 英国とEUの離脱交渉も曲折が予想され、仏独のリーダーシップが求められる。英国は総選挙で与党が過半数を割り込み、メイ首相の政治基盤が弱まっている。EU側は英国をいたずらに追い詰めず、現実的な合意を探ることが必要だ。

 選挙で大勝したマクロン氏の与党にも、政治家としての能力が未知数の新人議員が多いなど不安はある。だが、大衆迎合的な政党を退け、改革志向の政権がフランスに誕生したことの意義は大きい。

 欧州にとって、極右などの台頭に揺れた政治の流れに安定を取り戻すチャンスでもある。

 統合の深化で欧州が強くなることは世界経済にとっても望ましい。EUは内向きになったり、域外に有害な壁を築いたりすることなく、前向きな改革と統合を仏独を中心に進めてもらいたい。

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