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「共謀罪」は厳格な運用を

2017/6/17 2:30
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 改正組織犯罪処罰法が成立した。これにより、重大な組織犯罪やテロを、実行される前の計画・準備の段階で摘発できるテロ等準備罪が、新設された。

 テロ等準備罪の原型である共謀罪を導入する法案は、過去3回国会に提出されたが、いずれも廃案になっている。「処罰対象が不明確」「内心の自由が侵される」といった批判が強かったからだ。

 構成要件を厳しくしたとはいえ、その共謀罪に連なるテロ等準備罪に多くの国民が不安や疑問を感じていることは、政府・与党もよく分かっていたはずだ。それなのに参院では委員会での採決を省いて審議を打ち切り、いきなり本会議で採決する異例の形で法律を成立させた。残念でならない。

 与野党間での丁寧な議論を通して、「組織的犯罪集団」や「準備行為」の定義を明確にしたり、処罰の対象となる277の罪種を個別に精査したりするような見直しは結局行われないまま、幕切れとなってしまった。

 法律は成立したが、今後も折に触れて法律の意義や狙いについて説明を尽くし、疑問にこたえていく責任が、政府にはある。

 国民の十分な理解が得られていないなか、警察は懸念が残されたままの法律を捜査の現場で運用していくことになる。国会審議などで示された疑念を十分踏まえ、慎重、厳格に適用していかなければならない。

 検察や裁判所、公安委員会などは、これまで以上に捜査のあり方を厳しくチェックしていく姿勢が求められる。実際の運用を通して問題が明らかになれば再び法改正するといった対応も必要だ。

 今回の法改正は国際組織犯罪防止条約を締結するのが目的だった。改正の対象は組織犯罪処罰法であり、条約も法律も、ともにテロ対策ではなくマフィア型の犯罪を封じる枠組みである。政府・与党はテロ対策を掲げて説明してきたが、期待される効果には限界がある。テロの抑止策は改めて見直し、検討していくべきだ。

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