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春秋

2017/6/16 2:30
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 現在の国会議事堂は1936年に完成したが、それまで帝国議会の仮議事堂は日比谷公園に近い今の経済産業省別館にあった。議場で衆院議員が怒鳴り合ったり、つかみ合ったり芝居じみた振る舞いをするので、世間はいつしか議会を「日比谷座」と呼ぶようになった。

▼娯楽の少ない時代だ。議員が繰り広げる騒動は庶民の関心の的になり、傍聴に長蛇の列ができた、と当時の新聞は伝える。共謀罪あらためテロ等準備罪を新設する組織犯罪処罰法改正案を審議する国会劇場で与党は参院法務委員会の採決を省略する中間報告という芝居を打った。この演出が奇策かどうか意見は割れそうだ。

▼というのも47年、日本国憲法施行後初の国会で、片山哲内閣の与党・社会党が臨時石炭鉱業管理法案を巡って中間報告の挙に出ている。吉田茂率いる野党・自由党は牛歩戦術を展開して議場は大荒れに荒れた。きのうの徹夜国会で与党は、「牛歩なんて茶番」と批判した。歴史を顧みれば、攻守を入れ替えただけの凡策だ。

▼肝心なのは木戸銭を払う観客の評価だ。今の弱い野党に民心はついてこないと踏んでの強引な国会運営なのだろう。でも学校法人「加計学園」の獣医学部新設を巡る疑惑隠しだとみれば「1強」政権にお灸(きゅう)をすえたくならないだろうか。歌舞伎では人気演目は判官物と決まっている。間近に迫った東京都議選の審判は……。

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