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成長の壁に挑んだイメルト氏

2017/6/16 2:30
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 米ゼネラル・エレクトリック(GE)のジェフ・イメルト最高経営責任者(CEO)が7月末で退任することが決まった。環境の変化に正面から向きあった同社の軌跡は成長の壁に挑む日本企業にとっても示唆に富んでいる。

 イメルト経営の特徴の一つは大胆な事業売却だ。創業者エジソン以来の祖業である家電事業を中国企業に売り、自身の前任者であるジャック・ウェルチ氏が手塩にかけたプラスチック事業を手放し、三大テレビ放送局の一角であるNBCを切り離した。

 ピークを越えたと見れば、たとえ足元で利益が出ている事業でも売却を辞さない。過去のしがらみにとらわれ、事態がいよいよ悪化するまで動こうとしない日本企業はGE流の判断の速さと思い切りのよさを見習うべきだろう。

 もう一つの成果はグローバル展開だ。イメルト以前のGEは米国事業が売上高の6割を占める「内需企業」だったが、近年は逆に米国外が6割に達した。中国などに積極的に投資したほか、各国で採用した人材の登用も進めた。

 そして3つ目がデジタル技術と製造業の融合だ。リーマン・ショックで金融市場が不安定になり、ウェルチ時代には成長の源泉だった金融ビジネス依存の危うさがあらわになると、イメルト氏は製造業回帰を決断した。

 ただ、単純に過去に戻るのではなく、「インダストリアル・インターネット」を標榜し、IoT(モノのインターネット)や3次元プリンターを駆使した新たな製造業の姿を模索した。米シリコンバレーに拠点をつくり、デジタル人材の採用にも本腰を入れた。

 イメルト氏にとって惜しまれるのは、一連の改革が数字として結実する前に会社を去ることだろう。米同時テロの4日前にCEOに就任し、在任約16年になるイメルト氏の弱点は思うように上がらない株価だった。後継CEOのジョン・フラナリー氏が、株主との対話を含めて、名門復活に向けどんな手を打つのかも注目したい。

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