トップ > 社説・春秋 > 記事

社説

フォローする

Myニュース

有料会員の方のみご利用になれます。
気になる連載・コラムをフォローすれば、
「Myニュース」でまとめよみができます。

あまりに強引で説明不足ではないか

2017/6/16 2:30
共有
保存
印刷
その他

 最後は多数決で決めるのが国会のルールには違いない。しかし与党の都合で法案審議の手続きを一部省略し、早期成立にこだわるような手法はあまりに強引すぎる。学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部の新設問題では、文部科学省が14の内部文書の存在を認めた。政府は政策判断の経緯を改めて詳しく説明する責任がある。

 犯罪を計画段階で処罰する「テロ等準備罪」を新設する改正組織犯罪処罰法は、与野党の徹夜の攻防の末、15日朝に参院本会議で可決、成立した。

 自民党は14日に参院法務委員会での採決を省略する「中間報告」という手続きによって参院本会議で採決したいと提案。同法の廃案を求める民進、共産両党などは衆院に内閣不信任決議案を提出して抵抗した。

 過去にも委員会採決を経ずに衆参の本会議で採決をした例はある。だがそれは野党が委員長ポストを握っていたり、各党が個々の議員に本会議採決での賛否を委ねたりするケースだった。与党が議事運営の主導権を確保していながら、審議の手続きを省略したのはどう考えてもおかしい。

 文科省は15日、国家戦略特区を活用した加計学園の獣医学部新設をめぐり、「官邸の最高レベルが言っていること」「総理のご意向だ」などと書かれた14の文書が省内に存在していたとの再調査結果を発表した。

 国家戦略特区は新規参入を阻む「岩盤規制」に政治主導で風穴をあける仕組みだ。官邸側や内閣府が52年ぶりの獣医学部の新設を実現するため、慎重姿勢を崩さない文科省を押し切ったこと自体に問題があるわけではない。ただ加計学園は安倍晋三首相の友人が理事長を務めており、公正な行政判断がゆがめられた可能性があると野党は厳しく追及している。

 菅義偉官房長官は官邸側の圧力をうかがわせる内部文書の存在が指摘されると「怪文書みたいな文書」と言い切り、松野博一文科相は短期の調査だけで「該当する文書は確認できなかった」と発表した。政府にやましい点がないのなら自ら徹底調査し、事実を公表するという姿勢が欠けていた。

 参院予算委員会は16日に首相も出席して集中審議を開き、国会は18日の会期末を待たずに事実上閉幕する。政府は今後も閉会中審査などに応じ、様々な疑問に丁寧に答えていく必要がある。

社説をMyニュースでまとめ読み
フォローする

Myニュース

有料会員の方のみご利用になれます。
気になる連載・コラムをフォローすれば、
「Myニュース」でまとめよみができます。

共有
保存
印刷
その他

電子版トップ

【PR】



日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報