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春秋

2017/5/19 2:30
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 ある場所でこんなフレーズに接し、膝を打った。「町おこしに必要なのは若者、バカ者、よそ者だ」。お節介を承知で読み解けば、よく動いて活気に満ちた人、常識にとらわれずに新鮮でとっぴな発想をする人、そして、異なった視点から物事を見る人、ということか。

▼町おこしだけに限るまい。停滞する事業の活性化、革新的な製品の開発など、この3者の働きで活路が開ける局面は意外にありそうだ。もっと広く見渡せば、時代も動かしたといえる。幕末史をひもとくなら、雄藩から出た若き志士らが、古いしきたりにとらわれない言動で、世を変えていった姿に接することができよう。

▼旧来の体制にとってのアウトサイダーがカギを握るわけで、古くからの「お友達」的な人物が入るスキはなさそうだ。なれ合いや情実を生みかねない関係はイノベーションには邪魔に違いない。では、ほぼ半世紀ぶりの獣医学部の新設に、お友達がかかわる一件はどうであろう。首相肝煎りの特区で進む規制緩和策である。

▼その事業に関し役所間で「総理のご意向」との文書がやり取りされたという。事業主体トップは首相の旧友だ。当人は「ご意向」を否定しても、官僚お得意の忖度(そんたく)が働いたり、その習性を逆手に一芝居した知恵者がいたりしたかもしれぬ。1強の樹には悪い虫も寄って来やすい。若者、バカ者、よそ者で払うのが策だろう。

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