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サイバー攻撃からの防御に基本の徹底を

2017/5/16 2:30
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 大規模なサイバー攻撃が先週末に起き、世界各地の企業や団体が被害を受けた。事件の全容は明らかになっていないが、攻撃の手法が高度になっていることが背景にある。企業や利用者は備えが十分かを再点検する機会としたい。

 今回のサイバー攻撃には「ランサム(身代金)ウエア」と呼ぶウイルスが使われた。電子メールなどを通じて侵入し、パソコンやサーバーに保存した情報を勝手に暗号化して使えなくする。元に戻すのと引き換えに仮想通貨「ビットコイン」で300ドル(約3万4千円)を要求するという手口だ。

 いち早く被害が明らかになった英国では複数の病院で治療ができなくなり、日本企業でも日産自動車日立製作所で電子メールが使えなくなるなどの影響が出た。少なくとも150カ国で20万件を上回る被害が出たとの見方もある。

 こうした手口は10年以上前からあった。今回はウイルスに自動的に広がる機能が入っており、被害が異例の規模になったようだ。ただ、備えを十分にしていれば被害を免れたことも見逃せない。

 今回の攻撃は米マイクロソフトの基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」の欠陥が原因のひとつで、同社は3月に修正ソフトを無償配布した。ソフト会社はこうしたソフトの配布に関する情報の周知を徹底し、利用企業もソフトを常に最新の状態に保つべきだ。

 企業によってはマイクロソフトが修正ソフトの提供をやめた古いOSを使っていたり、自社の専用システムに修正ソフトが適合するかを確認するのに時間がかかったりすることがある。企業経営者はサイバー攻撃のリスクを重く受け止め、備えを急ぐ必要がある。

 一般の利用者も差出人が分からない電子メールには注意する、セキュリティー対策ソフトを利用するといった基本を徹底すべきだ。

 今後、自動車や家電など多様な機器がネットにつながる「IoT」が普及すると、サイバー攻撃の影響は一段と大きくなる。我が国では東京五輪が開かれる2020年に向け、攻撃が激しくなることを覚悟しないといけない。

 こうした環境の変化に備え、高度な専門知識を持つ人材の育成や、官庁、研究機関、企業といった組織の枠を超えた情報共有など、あらゆる手段を講じるべきだ。サイバー攻撃を完全に防ぐ手立ては見つからないが、着実な取り組みが被害の縮小につながる。

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