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ユナイテッド事件の教訓は

2017/4/21付
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 米ユナイテッド航空が乗客を強制的に機内から降ろしたことへの批判が高まっている。この問題には中国など海外の関心も高く、同社のブランド価値が世界的に毀損しかねない状態だ。危機管理の観点から日本企業も他山の石とすべき事件である。

 問題の発端は「降りたくない」と抵抗する男性を空港の治安当局が力ずくで引きずり出す動画がネット経由で世界に流れたことだ。無残に引きずられる男性の姿や周りの女性客の悲鳴も聞こえ、騒然とした様子が伝わってくる。

 これだけでも衝撃は大きいが、世論の怒りの火に油を注いだのがオスカー・ムニョス最高経営責任者(CEO)のまずい対応だ。

 最初のコメントでは、強制退去させられた男性を含めてオーバーブッキング(過剰予約)で飛行機から降りた4人の乗客に「便の振り替えをせざるを得ず、申し訳なかった」と表明しただけで、力ずくの行為についての謝罪はなかった。さらに社内向けのメールでは「(男性は)反抗し、けんか腰になった」と、相手に非があるかのような表現をした。

 航空会社がある程度の過剰予約を受け付け、席が不足した場合は一定の代替措置をとって乗客の搭乗を断ることができるのは日本を含め世界的にほぼ共通のルールだ。だが、嫌がる乗客を暴力的に引きずり降ろすのは誰がみてもやりすぎだろう。

 米航空業界は再編による寡占化が進んだ。客を客とも思わない事件の背景に寡占のおごりがあるなら、米当局は空の競争を活発にする策を講じる必要があろう。

 加えて問題は世論の風向きに鈍感としかいいようのないCEOの対応だ。経営者は社内の指揮だけでなく、「会社の顔」として社会と対話する役目もある。

 情報がネットで瞬時に拡散する時代に対応を誤れば代償は大きい。アンテナを高く張って世論に誠実に向き合い、コミュニケーション能力を発揮する。それが企業トップの欠かせない要件である。

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