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小売の冷凍設備 20年後見据えノンフロン化投資
日経エコロジー編集部 相馬隆宏

2017/4/20付
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 スーパーやコンビニエンスストアで、冷媒にフロン類を使わないノンフロンの冷凍・冷蔵設備を導入する動きが加速している。

ローソンは約2000店舗にノンフロンの冷凍・冷蔵ショーケースを導入した
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ローソンは約2000店舗にノンフロンの冷凍・冷蔵ショーケースを導入した

 イオンは、新規に出店するグループの総合スーパー(GMS)や食品スーパー、ディスカウントストアなどで、冷媒にノンフロンの二酸化炭素(CO2)を使った冷凍・冷蔵ショーケースの導入を進めている。その数は今年2月に累計146店舗に達した。

 ローソンは、年間700店舗以上の新店にノンフロンの冷凍・冷蔵ショーケースを導入。累計の導入店舗数は既に2000を超えた。2017年度は約2700店舗まで増やす予定だ。

 ノンフロン化の火付け役は、昨年10月にモントリオール議定書の締約国会合で採択された「キガリ改正」だ。空調や冷凍・冷蔵ショーケースなどの冷媒として、現在主流のハイドロフルオロカーボン(HFC、代替フロン)を世界で段階的に削減することが決まった。先進国は、36年に基準値と比べて85%減らす必要がある。

 HFCは、オゾン層を破壊するハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)に代わる冷媒として使われてきたが、温暖化への影響度が最大でCO2の1万倍以上と高いことから削減の必要性が高まっていた。

 キガリ改正で企業が特に懸念しているのが、「2重投資」の問題だ。空調や冷凍・冷蔵設備は、数十年使い続けるケースが多い。既存設備の更新や新規導入でHFCの設備を選択した場合、20年もすればまたHFCを使わない設備へ更新しなければならず、設備投資の負担が大きい。

 ローソン開発本部本部長補佐の宇都慎一郎氏は「長期的な目標を持って対応することが重要だ。HFC設備を導入したときは、『これで最後』と思っていた」と話す。同社は過去、HCFC設備の後継としてHFC設備を導入してきた。ところが、これらは今後、寿命を迎える前に更新しなければならない「負の遺産」となる可能性がある。

 こうした背景から、ノンフロン設備が急速に注目を集めている。ただし、ノンフロン設備はHFC設備と比べて3~5割程度高いとされる。導入コストを抑えることが各社共通の課題になっている。

 コスト抑制策の一環として、ローソンは利用企業のニーズをメーカーにしっかり伝え、製品開発に生かしてもらうことに注力している。低価格の製品やより使いやすい製品が開発されれば、同業他社にも導入が広がり、量産効果でさらに価格が下がると期待する。

 成果は表れつつある。ローソンにノンフロン設備を納入しているパナソニックは今年6月、出力12馬力の新型冷凍機を発売する予定だ。ローソンでは12馬力を必要とする店舗が多いが、パナソニックの既存の製品ラインアップでは、10馬力と2馬力の冷凍機を組み合わせなければならなかった。新製品なら設備が1台で済む。冷媒を循環させる配管の数も減るので、工事費を10%程度削減できるもようだ。

 ノンフロン化を進めるスーパーやコンビニでは今後、既存店の設備更新が待ち受ける。配管の交換など大掛かりな工事が必要なため、更新時には休業が避けられない。売り上げの減少が懸念されることから、イオンは大規模改装に合わせてノンフロン設備を導入していく考えという。

[日経産業新聞2017年4月20日付]

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